私は以前、別のところ(獅子風蓮のつぶやきブログ)で、こんな記事を書いたことがあります。

与野党の石橋湛山派がついに決起した! その1(2023-07-10)

与野党の石橋湛山派がついに決起した! その2(2023-07-11)

私は、政治家・石橋湛山の人物と思想に注目していました。




このたび、d-マガジンで興味ある記事を読みました。
詳細は、こちらを参考にしてください。

甦れ! 石橋湛山 その1

甦れ! 石橋湛山 その2


かいつまんで、引用します。


サンデー毎日 2024年3月3日号
倉重篤郎のニュース最前線

甦れ! 石橋湛山
「親米自立」の保守革命へ

政党政治を根底から変えよ


このカオス(混沌)の中から何が生まれるのか。
今回の裏金政局、一つ注目すべきは、派閥解消の動きである。岸田文雄首相の宏池会解散宣言が、ティッピングポイント(小さな変化が蓄積し、劇的な変化を起こす境目)となり、連鎖反応的に各派が解散、自民党の衆参国会議員376人のうち約75%が無派閥議員となった。これまで派閥のガバナンス(統治能力)に依拠して、政策、政局運営していた自民党が、その足場を失った。政権与党の統治体制は、前代未聞、未踏の領域に入った、ともいえる。
既存の6派閥体制は、より小さなグループに解体、分断化されていく。一方で、280人近い「無派閥派」は、ただ一人の総裁・総理である岸田氏の公認権、人事権、解散権の下、集権化する。このベクトルのぶつかり合いで何がどう起こるか。ここに野党と世論が加わり政局は流動化、予測がつかない状況でもある。
問題はこのカオスの中で何を築き上げるか。ピンチはチャンスとも言う。権力構図の再編は政策、政治路線の再編にも通じる。単に政治とカネ問題の処方箋を講じるのではなく日本の今後のあり方、生き様という大テーマで、しかるべく構想、ビジョンを出し合い、骨太な議論もしてほしい。真の意味で日本政治を刷新する好機になるかもしれない。

石橋湛山という政治家がいた。戦前は、言論人として小日本主義を掲げ、領土拡張・植民地獲得という大日本主義への代案を提示、戦後は、政治家として占領軍と対等にやり合い、冷戦時に日中米ソ同盟という平和構想を打ち出した。大勢に流されない自立自尊、徹底した経済合理主義、理想を捨てない現実主義、骨太の構想力。自由党を2度除名されながら首相に上り詰めた不屈の闘志。その彼に学ぼうという超党派議員連盟(湛山議連)が昨年発足したことは当欄で紹介した。この裏金カオスから起ち上げるべき一つの軸として、湛山的精神、構想力がヒントにならないか。この稿では、湛山議連の2人に問う。

岩屋毅(たけし)(議連共同代表当 選9回 66歳)、古川禎久(よしひさ)(同幹事長 当選7回 58歳)両衆院議員である。奇しくも2人はこの政局で同行動に出た。岩屋氏は麻生派を離脱、古川氏は茂木派を出た。


まずは岩屋氏だ。
30年前、自民党を離党してまで政治改革にのめり込んだ若手議員の一人だった。

今回なぜ離脱? 
「派閥政治に対する疑問、モヤモヤが自分の中で蓄積されてきたが、今回の事件でその思いがはじけた。世論動向も背を押した。政治を変えるべきだという国民の声が伴わないと改革はできない。久々にそういう機運が巡ってきた」

(中略)

湛山の知恵をどう活用? 
「湛山の言説がすべて今に当てはまるとは思わないが、その大胆な構想力と勇気に学びたい。日本全体が軍国主義、植民地主義、大日本主義に向かう時に小日本主義で異を唱えた。日本が科学技術に依拠して自由貿易に徹すれば、海外領土がなくても日本は繁栄できると主張した。まさに戦後は湛山が正しかったことが証明された。米ソ冷戦が始まる時に、日中米ソ平和同盟を唱えた。突拍子もないと聞こえたかもしれないが、実現していれば今日の事態はなかったともいえる」

今後の議連の役割は? 
「超党派で湛山の言説を学ぶ中で、共通の土壌、土台ができればいいと思う。その先どうするかについて具体的な構想が今あるわけではないが、そこでできた新しい政治的な塊が、現在の国難を脱し、新しい日本のビジョンを描いていく上で何らかの役割を果たすことができればと思っている」


次に古川氏だ。
建設官僚を3年で退官、その後、政界に出るまで一時期、焼き鳥屋をやるなど変わり種だ。やはり改革のスタート地点は派閥解消だと言う。
「大変なことをしてしまった、と自民党が心から反省し、自己改革の覚悟をすることが起点だ。派閥解消がそれだ。岸田首相が率先垂範、覚悟を示した。ならば我々仲間も結集してすべての派閥は解散、いったん更地にしてそこから新しい自民党を考えようと」

(中略)

自民党に代わる新党? 
「新党ではなく新しい連立だ。保守中道勢力が軸となる新しい政党政治を目指したい。各政党が昔の自民党各派のように、時に応じて合従連衡する。欧州のように、選挙結果に応じて政党同士が政策協定によって連立を組む。政治とは船に喩えれば舵取りだ。時代の舵を切るには国民の支持がないとできない。逆に、国民から反発、ネット攻撃があっても、それにすくんで、氷山を見ないふりをすれば、国民もろとも壊滅、船は沈没する。変える勇気、変わ る勇気、それを持つことだ」
「世界を見渡すと100年前に似ている。格差が拡大し、分断と対立が生まれ、政治が不安定化する、そこに破滅的なポピュリズムが台頭する。ヒトラーも日本の軍部もそこから出てきた。このタイミングで政党政治が信頼を失ったのは極めて深刻だと思っている」

湛山議連と連動? 
「全く重なるわけではないが、強い親和性がある。湛山の独立自尊、自主自立精神は今も生きる。世界が流動化、米国発の価値観も縮んで行く中、自分の頭で考え、自分の足で立ち、重心を低く構える、そういう体制にシフトすることだ」

自力でどう立つ? 
「日米同盟一本足打法から『多国間主義』『多元的外交』へと大きく舵を切るべきだと考えている。日米関係が重要であることは否定しないが、米国が世界の警察官としての意思も能力も失い、自国主義の殻に閉じこもりそうになっている今、日米同盟一筋にただ米国と足並みを揃えていればいいというわけにはいかない。日本は独自の外交を展開し、米国に対しても適時的確に助言できる関係を築くべきだ。そのために現行の日米安保地位協定の見直しは 不可避だと思う」

  ◇   ◇  

カオスとは、ギリシャ神話で言う、万物発生以前の秩序なき状態のことだが、それは同時に、すべての事物を生みだすことのできる根源でもある。裏金カオスの創造力にも要注目だ。

 


解説
今回の裏金政局、一つ注目すべきは、派閥解消の動きである。岸田文雄首相の宏池会解散宣言が、ティッピングポイントとなり、連鎖反応的に各派が解散、自民党の衆参国会議員376人のうち約75%が無派閥議員となった。これまで派閥のガバナンス(統治能力)に依拠して、政策、政局運営していた自民党が、その足場を失った。政権与党の統治体制は、前代未聞、未踏の領域に入った、ともいえる。(中略)
問題はこのカオスの中で何を築き上げるか。ピンチはチャンスとも言う。権力構図の再編は政策、政治路線の再編にも通じる。単に政治とカネ問題の処方箋を講じるのではなく日本の今後のあり方、生き様という大テーマで、しかるべく構想、ビジョンを出し合い、骨太な議論もしてほしい。真の意味で日本政治を刷新する好機になるかもしれない。


なるほど「ピンチはチャンス」という考えもできるのですね。
日本が、この内外の危機を乗り越えるために、自民党が根本的に再生することを願っています。
「湛山議連」にも注目していきたいと思います。

「湛山の言説がすべて今に当てはまるとは思わないが、その大胆な構想力と勇気に学びたい。日本全体が軍国主義、植民地主義、大日本主義に向かう時に小日本主義で異を唱えた。日本が科学技術に依拠して自由貿易に徹すれば、海外領土がなくても日本は繁栄できると主張した。まさに戦後は湛山が正しかったことが証明された。米ソ冷戦が始まる時に、日中米ソ平和同盟を唱えた。突拍子もないと聞こえたかもしれないが、実現していれば今日の事態はなかったともいえる」

湛山の政治思想は、私も賛同します。
湛山は日蓮宗の僧籍を持っていたといいますが、同じ日蓮仏法の信奉者として、その平和主義の背景に日蓮の教えが通底していたと思うと嬉しく思います。
公明党の議員も、おそらく政治思想的には共通点が多いと思うので、いっそのこと湛山議連に合流し、あらたな政治グループを作ったらいいのにと思ったりします。

しかし、そういうふうにならないのには訳があるのでしょう。
創価学会の第2代会長・戸田城聖氏は、当時は日蓮宗を邪宗として敵視していましたので、石橋湛山をこころよく思っていなかったようです。
たしか、小説『人間革命』にも、そんな記述がありました。

そういう歴史があるので、創価学会員や公明党議員の中には、公然と石橋湛山を評価するような意見が出にくいのではないかと思います。

あれほど豪放磊落だった戸田氏も意外と了見が狭かったようです。
もっと、石橋湛山に学び、公明党の政治の師とすればよかったのに。



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獅子風蓮