気楽非活さんは次のように書いています。
実際に経文を見ると次のようになっています。
「是故宿王華。以此薬王菩薩本事品。嘱累於汝。我滅度後後五百歳中。広宣流布。」
読んでそのままですが、きちんと「広宣流布」は「宿王華菩薩」一人だけに託されています。
植木雅俊『法華経とは何か』には、気楽非活さんがいちゃもんをつけた「宿王華菩薩」についての言及がなかったので、前回はネットで「薬王品」について調べてみました。
なんと、釈迦が宿王華菩薩に授けて広宣流布を委嘱したのは「薬王菩薩本事品」だけだったんですね。
「以此薬王菩薩本事品。嘱累於汝。」という漢文をちゃんと読めば、分かるはずです。
このたび、図書館で植木先生の『法華経-サンスクリット原典現代語訳 下』を借りて、該当する箇所を読んでみました。
一部、引用します。
“薬の王”の過去との結びつき(薬王菩薩本事品第二十三)
(前略)
それ故に、“星宿の王によって花で飾られた神通を持つもの”よ〔恐るべき〕後の時代、後の情況において、後の五百年が進行している間に、このジャンブー洲においてこの章が流布して、消失するに到ることがないように、また悪魔のパーピーヤスがつけ入る機会を得ることがないように、悪魔の集団に属する神々たちも、龍たちも、ヤクシャたちも、ガンダルヴァたちも、クンバーンダ鬼たちもつけ入る機会を得ることがないように、私はこの『“あらゆる衆生が喜んで見るもの”という偉大な人である菩薩の過去との結びつきの章』を付嘱しよう。
植木先生のサンスクリット原典からの翻訳でも、ちゃんと釈迦は
「私はこの『“あらゆる衆生が喜んで見るもの”という偉大な人である菩薩の過去との結びつきの章』を付嘱しよう。」
と言っていますね。
これは、漢文に訳せば、
「是故宿王華。以此薬王菩薩本事品。嘱累於汝。我滅度後後五百歳中。広宣流布。」
ということでしょう。
気楽非活さん、信仰者の大切にしているものを批判するときには、十分慎重にしましょうね。
そして、原典に当たるとともに、正確に原典を読みこなすことも必要です。
一番大切なのは、批判に耳を傾けることです。
よろしければ、コメント欄に感想をお寄せください。
獅子風蓮