引き続き、この本を見ていきます。

本間真二郎『医師が実践する病気にならない自然な暮らし 』(2021.04)

 

■第5章 新型コロナウイルスとどうつきあうか

 ●新型コロナワクチンが抱える多くの問題点とは
  ・現在開発中のワクチンの多くはまだ人に使われていない新タイプ
  ・副作用の危険性を考慮するとすぐに全員に打つ必要はない
 ●ワクチンの有効率90%以上という数字の意味
  ・有効率90%は100人受けると90人が発症しないということではない。


本間先生は、新型コロナワクチンの接種はとても慎重に行うべきだと書いています。
その理由として、次のような項目をあげています。

①ほかの感染症と比べ死亡率が特に高いわけではない。

この本が出版されたのは2021年の4月ですから、その時の判断としては、このようなこともあり得たかもしれません。
しかし、その後、日本でもデルタ株が猛威をふるい、新型コロナウイルスによる重症者、死亡が急激に増えました。
そのことを考えると、①の理由は見直しが必要と思われます。

②新しい種類のワクチンが多い。

③抗体の役割が明確でない。

④ウイルスは変異する。

⑤ワクチン接種は他者軸の対策であり根本的な解決法ではない。


②、③、④は分かりやすいですが、⑤は少し解説が必要ですね。

⑤ワクチン接種は他者軸の対策であり根本的な解決法ではない。
ワクチンの接種は、自分ではなくウイルスに向けた他者軸の対策です。
根本的な解決法ではありません。
もちろん一部の人にとっては重症化や死亡リスクの危険性があるので、ワクチンが必要な人もいます。
新型コロナは、高リスクの人が「65歳以上の高齢者と、基礎疾患のある人」とはっきりしています。こうした人や接種を希望される人がワクチンを受けることは問題ないと思います。
私は、自分の免疫力、解毒力、抵抗力を上げて、感染しても大丈夫な状態になる、という自己軸の対策が、より重要だと考えています。……
すべてのワクチンは、メリットとデメリットを十分に考慮して打つ必要があります。
新型コロナは、ウイルスの特徴・ワクチンの副作用の危険性などを考えると、早急に、そして全員に打つ必要のある病気ではありません。
国民全員に、一律に強制的に受けさせることはあってはならないでしょう。


「他者軸」「自己軸」というのが、自然派医師、本間先生独特の考え方ですね。
特に異論はありません。
ただ、先ほども言ったように、本書の執筆時点とその後のデルタ株の出現以後とでは状況が変わっているので、私には、コロナワクチンに対する本間先生の姿勢は、やや慎重すぎるような気がします。

●ワクチンの有効率90%以上という数字の意味
 ・有効率90%は100人受けると90人が発症しないということではない。


この項目では、分かりやすい図を示しながら、
「ワクチンの有効率は、感染率が低い感染症ではあまり意味をもちません」と述べています。

勉強になりました。

 

ただし、本間先生は、新型コロナウイルスワクチンが有効でないとはひとことも言っていないのです。

 

このワクチンが有効であることは、以前提示した、このグラフが分かりやすいですね。



新型コロナワクチンの有効性95%とは - 本通トータルヘルス内科クリニック


つづく

獅子風蓮