糸の先に錘をつけて手放すと、錘は下に下がり、さらに円弧を描いて元の位置まで戻ります。
物理学的にいうと、位置エネルギーが運動エネルギーに変化し、さらに位置エネルギーに変わり、その間、全体のエネルギーは一定に保たれるという訳です。
これが"エネルギー保存の法則"ですね。
われわれ人間が生きているときの生命エネルギーというものがあるとした場合、死後はどういう形に姿を変えて、そのエネルギーは保存されるのでしょうか。

Newton別冊「次元のすべて」というムックがあります。

 

 

数学や物理の概念がイラストで説明される分かりやすい本です。
それを種本にして、少し思考実験をしてみたいと思います。

まず、次元とは何かという問題が説明されています。
私たちの暮らす空間は3次元ですよね。
1次元の世界は、直線です。1次元の上にある領域は、「長さ」以外の量を持ちません。
2次元になると1次元にない「かたち」が登場します。
3次元になると立体が許される。
なお、3次元空間には、立体だけでなく、2次元の面や、1次元の線、0次元の点も存在できる。
いいかえると、ある次元の数を持つ空間は、それよりも低次元の空間を内部に含むことができる。

3次元の立体に光を当てると、2次元の面の上に影ができる。
影は、元の図形がもつ情報の一部でしかない。


古代ギリシアの哲学者プラトンの『国家』に、「洞窟の比喩」という有名なたとえ話がある。
洞窟の壁に映る影だけを見続ける囚人は、2次元である影こそ世界のすべてであると信じ、影をもたらす立体の姿(3次元)を知ることなく一生を終えるだろう。
プラトンはこう述べたあと、経験したものだけを真実と考える人間も、この囚人と同じだと指摘した。
「私たちは影しか見ていない」
プラトンのこの言葉は、
「この宇宙は本当は何次元なのか」
という壮大な謎にいどむうえでも、きわめて重要な意味を持つのである。

数学の世界では、次元はいくつあっても構わないので、「超立体」を考えることができる。
たとえば、立方体を4次元方向に動かすと超立方体ができる。

低い次元で不可能なことでも高い次元なら可能だ。
たとえば2次元平面上で回転させて、dをpにすることはできるが、dをbにかえることはできない。
しかし、dを2次元平面からひきはがし、3次元空間で裏返せば、bになる。

そこから類推すると、4次元空間では、左右の反転が可能になる。
また、4次元空間を使えば、檻の中のウサギを脱出させることができる。

つづく。