バイト⑤
契約書もなく、シフトもなく、行ける日に行くと言う自由な工場だった為、私は段々行きたくなくなり、出勤日数を徐々に減らしました。
減らしても「もっと出勤して」と言われる事もありませんでした。
給料は手渡しだったので、給料日以降事務所で
「給料下さい」
と言えば貰えるシステムでした。
なので高校2年、5月でバイトを勝手に辞めました。
本来なら辞める1ヶ月前に伝えて、代わりの人を探してもらって…とか、引き継ぎとかあるんだろうけど、かなり自由なバイトだったし、私しか出来ない仕事もなく、引き継ぎなど必要ありません。
自由出勤だったため、辞める時に伝える必要があるのか悩みましたが、次のバイトが決まるまで行きたくなったら行こうかと考えている内に、結局行かないまま日が経って、日が経ち過ぎて行き辛くなって辞めた感じですなんせメンタル弱過ぎ、豆腐メンタルなので、間空けば空くほど、行き辛くなりました。間空いたことで余計何か言われるのではないかと思ったら、無理でした。
パートは事務所にあるタイムカードを打刻するけど、高校生バイトはタイムカードがなく、出勤したら大学ノートに名前を書くと言う不思議なシステムでした。帰りにまた事務所に寄って、退勤時間を書くのです。
ノートには私以外の名前も書かれていたから、他にも自由出勤のバイトはいるんだなと思いました。私は高校生バイトの先輩と喋っていたけど、他にもこの春から大学生ってバイトもいました。親子で働いていて、お子さんの方は4月から就職するから3月いっぱいで退職って人もいました。
郵便局のバイトの時はタイムカードがあったから、ノートに書くシステムにはビックリしました
人はキツいし、仕事もキツかったけど、唯一良かったなと思うのは、余物の食品をみんなで分けて食べれるところです。私はど新人で、下っ端も下っ端なので、おこぼれに預かれるのはたまにでしたが
「食べていいよ」
と言われた時は嬉しかったです。
ただそれ以上にしんどい事が多かったので、精神的に強くないと向いてないなと思いました。
母も実際に働いていたのは1年もありません。キツイ職場で、私には向いていないと分かったから反対したんでしょうし、私が辞めた時
「だから反対してん」
と言われて、何も言い返せませんでした。
ただ面接に落ちまくっていて、中々お金を稼げなかったので、短期間ではありますが、少しでもお金を稼げたのは良かったなと思います。
そしてここから再び、地獄の面接不採用の日々が始まるのです。