部活動②
私が小学生の頃、近所の友達の家に妹と遊びに行きました。そこでみんなで絵を描く事になりました。
それぞれ描いた絵に、みんなで点数を付ける事になりました。今から考えたら絵に点数を付けるとかおかしな話ですが、当時は友達1人が言い出すと、みんなそれに従っていました。
友達みんなの絵や妹の絵は、満場一致で満点に、私の絵は満場一致で0点を付けられました。
これまでも何度も揶揄われてきたので、今回もいつもの揶揄いだと思いました。
自分でも下手だという自覚はありますが、みんな年下の友達で、その友達と比べても劣って下手だとは思えませんでした。流石に0点は酷いと思い、抗議しました。するとよってたかって
「どう見ても酷すぎる。0点なんてまだマシで、マイナスがいい。そうだ、マイナス
に書き換えよう」
と1人が言い出し、みんなして同意し、私の描いた絵にを付けました。
その他のみんなの絵を褒め合いだし、私の絵はダメ出しされました。
口々にダメ出しされ、耐え切れずに泣いてしまいました流石に私が泣いた事で
「やり過ぎた。ごめん」
と誰も謝らないのが近所の友達で、私が泣くといつも
「泣き出したからサーモンちゃん放って置いて遊ぼう」
となるのです。
私を放置して遊び始めるので、私は泣きながら家に帰る事が多かったです。
そんな風にしょっちゅう揶揄われてしまうのに、何故一緒に遊んでいたのかと言うと、いつも誘ってくるからです。誘われると断れなくて遊ぶし、他に友達がいなかったから、揶揄われて泣かされるかもしれないと思いつつも、誘われると喜んで遊びに行くのです。それに毎回揶揄われて泣かされる訳ではなく、楽しく遊んで帰れる事もありました。
私の絵に関しても、ただの揶揄いであって、本気で下手だと思って酷評していた訳ではないと思います。けれどあそこまで酷評され事は忘れられなくて、絵を描く事に苦手意識を持ってしまいました。
それでも美術部に入れば、少しは絵が上手くなるかもしれない、入ってみれば絵を描く事が楽しくなるかもしれないと考えました。
気持ちは吹奏楽部から美術部に少し傾き始めました。けれど習い事のピアノに行ったり、家でピアノの練習をしていると、やっぱり吹奏楽部に憧れてしまいます。
吹奏楽部に入ろうと決めたものの、Cちゃんに断る事は出来ませんでした。このままCちゃんから美術部の話が出ませんように、誘った事忘れてくれていい、と願いました。私の中でCちゃんに断る勇気が出ませんでした。
そんな中部活動見学や体験入部が近づいてきて、吹奏楽部の体験に行きたい気持ちが大きくなりました。
Cちゃんに誘われてから数日。再びCちゃんから
「部活動の件決めたどうする
」
と言われました。
私は美術部を選んだら後悔すると思いました。体験入学で見た時から憧れていた吹奏楽部に入らずにいたら、物凄く後悔すると思ったのです。なので勇気を出して
「ごめん。吹奏楽部に入る」
といいました。Cちゃんは一言
「分かった」
と去って行きました。
それ以降Cちゃんとの仲は深まる事はなかったです。私からCちゃんに話しかければ、もしかしたら仲良くなっていたのかもしれませんが、Cちゃんが他の女子と仲良く喋っていると、私はその輪の中に入る事が出来ませんでした。
私は母に
「吹奏楽部に入りたい」
と伝えました。
ところが
「絶対にダメ」
と大反対されました。
私はまさか大反対されるとは思っておらず、ショックでした。
「何で何でダメなん
」
理由を聞きますが
「なんでもや」
の一言。
ピアノを習いたいと言った時も、同じように言われて断られ続けてきました。
「吹奏楽部以外の部活にしなさい」
と言われたのですが
「吹奏楽部以外の部活なんて考えられない。なんで反対するのか、ちゃんと理由を教えてほしい」
と言いました。
すると母との会話を聞いていた父が
「サーモンが納得できる理由を答えられるのか理由を説明出来ないなら、サーモンがこんなにやりたいって言ってるねんから、吹奏楽部に入る事認めてあげたら」
と。
母は私が納得出来る理由を説明出来なく、父の言葉に
「じゃあ分かった。好きにしたらいい」
と認めてくれました。