本日8月19日は819(ハイク)ということで俳句の日だそうです。

せっかくなので昨年作った句の中から自選した10句をここに掲載します。

 

 

春を待つロビーをユーモレスクかな

『俳句生活』(兼題「春待つ」)にて人選をいただいた句です。ドヴォルザークの『ユーモレスク』は、春を待つウキウキした気持ちに合っていると思います。実際は夏に作曲されたらしいですが……。

 

店番の礼にと女将鰆焼く

『俳句道場』(兼題「鰆」)にて秀作をいただいた句です。ドラマの『相棒』に出てくる小料理店「花の里」をイメージして作りました。こんな行きつけの店があったらいいなぁ、という憧れが出ています。

 

若布汁が熱いずる休みはできない

『俳句道場』(兼題「若布」)にて秀作をいただいた句です。「若布」と聞くとどうしても私は『サザエさん』のワカメちゃんを思い浮かべてしまいます。ワカメちゃんは優等生なので、自然とこういう句になりました。

 

春雨や安全島に囚はるる

『俳句生活』(兼題「春雨」)にて人選をいただいた句です。「安全島」とは、横断歩道の途中にある歩行者用の安全地帯のことです。赤信号に捕まってしまったときの無力感を「囚はるる」という下五で表現してみました。

 

ミゼットの荷台を弾むトマトたち

『俳句道場』(兼題「トマト」)にて秀作をいただいた句です。『ぼくのなつやすみ』や『となりのトトロ』に出てくるような田舎を思い浮かべながら作りました。夏のノスタルジーを感じられる句がポンポン作れるようになりたいです。

 

バス降りて栗の花の町と思ふ

『俳句生活』(兼題「栗の花」)にて人選をいただいた句です。「栗の花」といえば独特な匂いが特徴なので、それを詠もうと思いました。実体験ではありませんが、実体験っぽい句が作れたと思います。

 

河童忌の傘眠らせるやうに閉づ

『俳句生活』(兼題「河童忌」)にて人選をいただいた句です。「河童忌」は芥川龍之介の忌日のことです。傘を閉じる際の「眠らせるやうに」という比喩は、芥川の最期から着想を得ました。

 

秋茄子の太やかなまま焦げゆけり

『俳句道場』(兼題「秋茄子」)にて秀作をいただいた句です。たいていのものは焼いたら縮んだり萎れたりしますが、「秋茄子」はあのでっぷりとしたフォルムを保ったままなので、それを詠みたいと思いました。

 

山茶花とフェンスがきれい志望校

『俳句生活』(兼題「山茶花」)にて人選をいただいた句です。「志望校」は何もかもが魅力的に見えるものです。具体的にモデルの学校があるわけではありませんが、いかにもありそうな感じの学校を詠めたと思います。

 

スランプの机に置いてやる蜜柑

『俳句ポスト365』(兼題「蜜柑」)にて佳作をいただいた句です。スランプに苦しんでいる人と、その人を支える人の姿を、「蜜柑」を通して描きたいと思いました。「蜜柑」は明るくてやさしい果物というイメージがあります。

 

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