『相棒22』が終わってしまいました。

いや~、寂しい! なんだか今シーズンはいつも以上にあっという間だった気がします。

 

今回の感想ですが、面白いか面白くないかで言えば面白かったものの、展開が強引だと感じる部分も多々ありました。

 

もちろん、物語を進めるためには多少の強引さも必要だと思います。しかし、それでも今回は「AI」と「権力」でゴリ押ししすぎだと感じました。

もっとも、AIに関しては今回の話の面白ポイントでもあったので、まだ評価できる部分もあるんですけど――というか、今回は「AI右京」がなかったらいまいちパッとしない話だったと思うんですけど――、権力に関してはホント無茶苦茶としか言いようがありません。


政治家=悪みたいな構図はもはやお決まりみたいなところがありますが、今回はそれに加えて内調も警視庁も酷かったですね。特に「AI右京」に対する警視庁の動きが滅茶苦茶でした。大河内監察官にもガッカリです。「動画はフェイクですが、お騒がせしてしまったことをお詫び申し上げます」ぐらいで済みそうな話を、わざわざ「AI右京」を本物だと認定して大々的に会見まで開いてしまうなんて、こんなの国家ぐるみの名誉毀損ですから、あまりにもフィクションが過ぎると思いました。

 

今回の一件で右京さんの顔と名前が一気に国民に知れ渡ってしまったわけですが、来シーズンが始まる頃にはまた認知度がリセットされていることでしょう。右京さんの認知度が高いままだと話も作りづらいでしょうし、何かと不都合がありそうです。

最後の右京さんの「忘れっぽすぎですね、みんな」というセリフは、『相棒』の世界の人たちにも現実世界の私たちにも当てはまると同時に、一種のメタ発言とも来シーズン以降への予防線とも捉えることができます。ここにも物語上の都合というか、若干の強引さみたいなものが感じ取れますね。

 

決して強引なのが悪いというわけではありません。今回で言えば「AI右京」のかき回しっぷりはシンプルに面白かったですし、武智が下川にあっさり殺されてしまったのも早々に決着をつけてくれて良かったと思いました。また、正月SPの「サイレント・タトゥ」では悦子さんを救出するためにチーム特命係が色々無茶をしていましたが、その様は実に清々しいものでした。

結局のところ、私は権謀術数が絡んだ事件よりもエンタメ寄りの話の方が好きということでしょう。

 

さて、『相棒22』の総評ですが、個人的には何回も見返したくなるような傑作に乏しく、平均点をつけるとなると前シーズンよりも低めになってしまうと思います。

ファンサービスという点では結構良かったんですけどね。悦子さんの再登場は特大のサプライズでした。

あとは、泣けるとはいかないまでももっと胸に残るような話がほしかったところ。『相棒22』があっという間に感じたのも、心のどこかで「まだ足りない」「もっと見たい」という気持ちがあったからかもしれません。

 

というわけで、早く『相棒23』が始まってほしいです。

忘れっぽい私が、まだあれこれ覚えているうちに……。