私はドラマをほとんど見ないのですが、『相棒』だけは毎週欠かさずチェックしています。
と言っても、本格的に見るようになったのは冠城亘が登場したseason14からなので、season14から20までのエピソードの中から、個人的に好きな回・印象に残っている回をいくつかピックアップしていきたいと思います。
season14第2話「或る相棒の死」
冠城亘というキャラクターがかなりの切れ者であることは第1話「フランケンシュタインの告白」でも明らかでしたが、その方向性を確固たるものにしたのがこの第2話だと思っています。真相を突き止めるために独自で動いたり体を張ったり、そして右京さんまで利用してしまうところに魅力を感じました。ハイスペックな人間がテキパキ動く様は見ていて気持ちが良いです。
season14第17話「物理学者と猫」
現実と妄想が入り混じったような、非常に実験的な回だったので強く印象に残っています。「シュレディンガーの猫」を取り入れたストーリーは斬新で、『相棒』の新しい可能性を見せてもらったように感じました。また、この話はただ奇抜なだけでなく、ちゃんとドラマがあったのも良かったです。正名僕蔵さんの演技も本当に素晴らしくて、最後はホロッときてしまいました。
season16第7話「倫敦からの客人」
南井十の初登場回。右京さんのスコットランドヤード時代の相棒で、普段は物腰の柔らかい紳士でありながら、頭脳明晰な捜査と卓越したプロファイリング能力で事件を解決に導く――という設定だけでも十分魅力的なキャラクターなのですが、その裏の顔にゾクゾクしました。南井十はseason17と18にも登場しますが、どの回も緊張感があり、テレビに釘付けになって視聴しました。
season17第20話（最終回SP）「新世界より」
タイムスリップやパンデミックによる人類滅亡など、SF要素が多いストーリーなので評価が分かれるところですが、個人的には最初から最後までずっと楽しめました。文明や科学から完全に隔離した村をつくるのは、現代の日本では無理がある気がしますが、タイムスリップの説明としては純粋に面白いトリックだと思いました。こういうエンタメに全振りしたスペシャルは好きです。
season18第6話「右京の目」
エンタメ回と言えばこの回も外せません。まず思いっきり催涙スプレーを浴びる（自分から浴びにいっているようにも見える）右京さんが面白すぎる。その後両目に眼帯をあてている姿も不謹慎ながら笑ってしまいました。右京さんと音声認識AIの掛け合いも漫才のようでしたし、暗闇の中機転を利かせて犯人を捕まえるところはさながら『ジョジョ』を見ているようでした。見どころが多い傑作です。
season19第12話「欺し合い」
潜入捜査回と言えば普通はハラハラドキドキするものですが、潜入した冠城が優秀で、さらに右京さんをはじめ、角田課長や捜査一課の3人からのサポートもあったので安心して見ていられました。右京さんたちが代わる代わる詐欺に引っかかったフリをして詐欺グループに揺さぶりをかけていく様はもはやコント。最後には一捻りもあり、とても1時間とは思えないぐらいの満足感でした。
season19第16話「人生ゲーム」
見終わったとき、しばらく余韻に浸ってしまいました。そのぐらい良い話で、ちゃんと『相棒』でありながらも、完成された一つの映画作品のようにも思いました。この回に関しては、『相棒』を見たことがない人にもオススメしたい回なので、あえて多くは語りません。一つだけ言えることがあるとすれば、この回が再放送されたら私は絶対に録画するということです。
season20第11話（元日SP）「二人」
『相棒』のスペシャルにしては珍しくスカッとできた回でした。全体的にエンタメ寄りのストーリーも私好みで、チーム特命係が一丸となって国家権力に立ち向かうという構図はもはやお決まりではありますが、今回は内村刑事部長という強い味方がいたのがポイント。「こういうときだな……警察官になって良かったと思うのは。我ながら良い仕事をした」という内村刑事部長のセリフに涙。
season20第20話（最終回SP）「冠城亘最後の事件―特命係との別離」
この回は、最後の冠城と右京さんのやり取りが全てです。正直、第19話（前篇）から続く事件はあまり興味をそそられるものではありませんでしたし、冠城の卒業にふさわしいストーリーだったかと言えば微妙だと思いました。しかし、そんなのどうでもいいと思えてしまうぐらい、別れのシーンに感動しました。あと、冠城の卒業が再登場の可能性を残した前向きな卒業だったのも嬉しかったです。
冠城亘は個人的にかなり好きなキャラクターだったので、新シーズンが始まってもしばらくの間は「冠城ロス」に浸ってしまいそうです。
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