冠城亘の卒業回としてふさわしいストーリーだったかと言えばそうでもなく、また、事件もあまり興味をそそられるものではありませんでした。

しかし、それでも私は良い最終回だったと思います。

 

第一に、私は冠城亘というキャラクターが好きなので、再登場の可能性を残した、平和的な卒業だったのが嬉しかったです。

なにより、右京さんとの最後のやり取りにも感動しました。

 

杉下「僕はね、冠城くん。これまで去る者は追わず、来る者は拒まずでやってきましたが……今回、それを破ろうと思います。……もう少し、一緒にやりませんか? 君が、特命係を去ることを、できれば拒みたい」

冠城「……最高の、はなむけの言葉です。長い間、お世話になりました」

 

こんなの泣くに決まってるじゃないですか。

このシーンを見るために、私はずっと『相棒』を7年間追ってきたんだな、と思いました。

 

さて、season20の総評としては、比較的平均点の高いシーズンだったと思います。

結局、官房長(?)の再登場を超えるサプライズはなかったものの、印象に残るエピソードは多かったです。個人的に好きなのは「二人」、「ある晴れた日の殺人」、「米沢守再びの事件」の3本。中でも「二人」は、見終わった後の満足感が段違いでした。

 

「二人」と言えば、脚本にないシーンが勝手に付け加えられていたことが問題となっていましたね。『相棒』において脚本の改変がどの程度行われているのかはわかりませんが、人を傷つけるような改変はしないよう、再発の防止に努めてほしいと思いました。

 

果たして来シーズンはどうなるんでしょうか。

『相棒』は好きですが、好きだからこそ来シーズンぐらいできれいに終わってほしいという思いもあります。