「助けて」
泣きながら彼に訴えていた昨夜。
勿論記憶にない。
そもそも、初対面の人間に助けを求めるなど一度もないし。
関係値がある人に対しても、救いを求めることはなかった。
人生の終いを考えていた訳だから、自分の心に閉じこもっていたし、苦しみを訴えたいという考えもなかった。
二日酔いの気怠さで目が覚める。
瞬時に、心が何故だか物凄く苦しい。
悲しさ、虚しさ、淋しさ。
言葉にしようのない苦しみが駆け巡る。
これは酒鬱ではないということだけは分かる。
涙が止めどもなく流れた。
昨夜何があったのか?
彼に失礼なことをしたんだな。
記憶はないが、何だかそれだけは分かる。
もうこのままフェイドアウトかな。
相手もこんなメンヘラ女には関わりたくないだろう。
だけど、彼にLINEを送っていた。
「昨日はありがとうございました。すみませんでした。今日の夜お時間ありますか?出来ればもう一度お会いしたいです。」
彼に会いたい。
このまま終わりは嫌だ。
それだけが今ある心の正解だった。