ド派手な身なりをした彼の登場から、挨拶を軽く済ませお店へ。
そのお店は、ほぼ水商売。夜の世界の人間しか来ないお店だった。
ホストやキャバ嬢、スカウトマンがお客様と同伴アフターで使うようなお店だ。
美味しい和食を食べられる静かなこじんまりとした人気のお店である。
私も歌舞伎町のキャバクラで働いていた時期もあったし、ホスト大好き姉様方と飲んだくれてた時期もあったので、何度も行ったことがある。
ちなみにホストにはまった経験はない。
お店選びからして、彼に対する胡散臭さを感じた直感を妙に納得してしまった。
となると、プロフィールは嘘で水商売の人間か?
探らなければいけない。
テーブルに通されると思いきや、まさかのカウンター並び。
初めて会った人間とカウンター並び。
パーソナルスペースを飛び越えてきている。
正直緊張しかないし、まともに会話できるだろうか?
頭ん中で様々なことを考えている時、
「飲み物どうしますか?」
サングラスを取った彼がメニューを渡してくれた。
その時、なぜか凄く思ってしまったのである。
なんて綺麗な目をしているのだと。