2024年9月に一人ゆるゆると巡った栃木の温泉一泊旅シリーズ、その7。
川治温泉「登隆館」のお話が続きます。
最初にまいどのここまで行程リンク集から。
昭和感たっぷりで和む「川治温泉 登隆館」。
<到着編>の次は、メインの<温泉編>。
2つの浴場をまとめて一気に。
川治温泉 登隆館 <温泉編>
浴場のフロアは一番下。
階段もあるけれどもせっかくエレベーターがあるので利用。
年代物らしくゆっくりと慎重に階下へ。
薄暗い廊下を浴場方面に進む。
画像編集で明るくしてこの写真↑。
この廊下あたりが夜中だとなかなかスリリングでした
前後に暖簾が並ぶ浴場エリアへ到着。
暖簾の横に縦に並ぶ「殿方」「御婦人」のランプが点いている方がそれぞれ男湯、女湯。
ランプの灯りで露出が飛んでいるけれども、この写真↑の場合は左が女湯、右奥が男湯となる。
19時~21時の2時間だけ男女が入れ替わる。
大浴場と小浴場という扱いで、基本は男湯が大浴場、女湯が小浴場。
陽の光がたっぷり差し込む大浴場に明るい時間に入れない女性はちょっと損かもと思ったり。
いずれも基本の入浴時間は夜は23時迄、朝は7時から。
その間の夜中から早朝は加温が止まるけれども源泉の投入は止まらず入浴は可能
この意味はお分かりですね
チェックイン直後に訪れた男湯はその大浴場。
脱衣所からかなりの広さ。
そして滞在中はどの時間帯も常に独り占め状態でした
他にも宿泊客、居たと思うんだけれどもなぁ。部屋食なので風呂以外で出会う機会がないんですよ。
そしてその浴場は思わず息をのむ佇まい
ヤレ感込みで何とも美しい
20人は優に同時入浴できそうな規模の浴槽は、タイルの剥がれはありつつも優美な曲線を持っている。
浴室床に敷き詰められた豆タイルも素晴らしい。
窓からは男鹿川を臨み、元々からか経年かで淡い曇りガラスとなって内湯ながら大いなる開放感をもたらしている。
しかも窓の一部は浴槽に合わせたカーブになっており、その外は蔦が覆う状況も雰囲気たっぷり
<到着編>の最後に載せた写真↓が川の反対側から見た宿の状況なのだけれども、浴室の位置がお分かりいただけるでしょうか。
ちょうど真ん中あたり↑。
浴室内に話を戻し、洗い場も広々ととられている。幾何学的な壁アートも好み
カランから出る湯は源泉だったのかな。
写真は撮っているもののメモがなく、断言できないもののきっとそうだったのでしょう。
ではその源泉のお話。
無色透明な湯は源泉名が「共同浴場源泉」。
温泉が「自家噴出」しているとの案内があったので自家源泉だと思ったのだけれども、そうではないのか。
というのもこの源泉名はその名の通り共同(公衆)浴場の「薬師の湯」や「岩風呂」でも使用している源泉と同じ名前。
あるいはこちらの宿がこの源泉を持っていて、それを分湯しているのか。分析した方が源泉名を付けられるからこの源泉名とか。
この辺のこと、ちゃんとご主人に聞いておけばよかった。真相をご存じの方はご教授ください。
薬師の湯に掲げてあった分析書とこちらの宿にあった分析書では分析年が数年違う(こちらの方が新しい)ので数値も少し違い、そこでの判断はできず。
「リブマックスリゾート川治」は源泉名がはっきり違っていたのは分かったけれども。
いずれにせよ川治温泉らしい源泉を実に豊富に使用できていることは間違いなし。
でその源泉は源泉温度34.5度、pH8.1の単純温泉。
成分総計は0.303g/kg。
湧出量は未測定だが自然湧出。
この湯を通常は少し加温してかけ流している。
オーバーフローはざんざんとあり、使用源泉量の多さを物語っている。
湯口は浴場に2本佇立している柱の奥の方に、柱に沿うように設置。
それとは別に、浴槽内投入もあった。
この浴槽の広さと源泉温度ならば浴槽内投入はむしろあって欲しいでしょう。
浴槽の温度を測ってみると。。。
37度と不感温度に近いぬるさ
無理のない加温でいいじゃないですか。
もういくらでも入ってられる温度。たまらなく心地よいのでした
では湯口を観察。
このスタイルは山形の瀬見温泉「喜至楼」の千人風呂を思い出すけれども、あちらよりも浴槽の規模は大きい。
ごく僅かに川臭あり。
柔らかな口当たりでほぼ無味。
僅かに喉に引っかかるような感覚あり。
湯口の噴出している部分の温度を測ってみると。。。
39.6度と5度ほど加温して浴槽に投入している。
ただし先述したように夜中は加温をやめるんですよ。
そう、夜中から早朝にかけて完全かけ流しになるのです
それは後ほど。
ずっと入り倒していたせいもあるのかもしれないけれども、膜を張るようなしっかりとしたスベスベ感あり。
チェックイン直後、夕食前、夕食後(入れ替えの小浴場)、就寝前、翌朝の食前食後と計6回は入ったかな~。
では夕食後の20時頃、その入れ替えの小浴場、通常の女湯へ。
この↑左側の暖簾をくぐるとある脱衣所は、大浴場に比べてかなり小さい。
そしてこの浴場も終始独り占め
浴槽の広さは何分の一だろう。でもこれでも普通の温泉宿の内湯レベル。
美しいタイルの意匠は大浴場と通じるものがある。
洗い場と浴室入口を見た図↓。
こちらもカランから出る湯の写真を撮っておりました。
源泉にクセがないのでカランやシャワーで使用しても何の違和感もない。これが源泉だったとしても。
その使用源泉は大浴場と同じ。
ここで源泉の成分数値を簡単に抜粋。
陽イオンはナトリウムが66.6mg、カルシウムが14.5mg、カリウムが2.0mg、マグネシウムが0.4mg。
陰イオンは炭酸水素が64.2mg、塩化物が55.8mg、硫酸が49.0mg、ふっ化物が2.1mg、硝酸が1.3mg、硫化水素が0.2mg、臭化物が0.2mg。
非乖離成分はメタケイ酸が42.3mg、メタホウ酸が3.7mg。
溶存ガスは遊離二酸化炭素が0.9mg。
こちらも加温かけ流しにて使用。
オーバーフローはドバドバに近いでしょう
浴槽の温度を測ってみると。。。
39.3度と大浴場よりも温かい。
浴槽の小ささゆえでしょうね。
この浴場も夜中はおそらく非加熱になるので、女性の方も完全かけ流しで入ることができると思われます。
こちらの湯口は浴槽内投入のみ。
この小さい浴槽で完全かけ流しにて入ってみたいと思ったのでした。
さてさて、夜中に大浴場へ再び。
そう、非加熱かけ流しの状態で入りに行くのですよ
さっそく浴槽の温度を測ってみると。。。
お、源泉温度に近くまで下がっている。
これは元の加温した源泉がまだ残っているので、このぐらいの温度までかな。
ちなみに夜中の1時半近くです。
湯口の温度を測ってみたら。。。
34.5度とこちらはきっちり源泉温度まで戻っておりました。
夜中の完全かけ流し、入らないと損ですよ~
何度入っても飽きが来ず、身体への負担も少ない極上湯。
たっぷりと堪能させてもらいました
最後に早朝の大浴場写真↓。次はこの宿のお話ラストの<食事編>を。
川治温泉 登隆館
栃木県日光市川治温泉高原41-2
0288-78-0006
お安く泊まるプラン★2食付・部屋食(1人泊)
11,000円(税込) ※2025年現在は料金改定あり
<源泉名:共同浴場源泉>
単純温泉(低張性・弱アルカリ性・温泉)
34.5度
pH8.1
成分総計 0.303g/kg
自然湧出
無色透明
微~淡川臭
ほぼ無味
膜を張るようなしっかりとしたスベスベ感あり
基本は加温かけ流し
夜中は完全かけ流し
2024年9月入湯
※数値はR3の分析表より