いくつか考えていた候補の中で2016年4月の栃木湯めぐり最後の湯にしたのは、同じ那須塩原市内にある「ピラミッド元氣温泉」。
何かと珍スポット的に取り上げられることが多く、確かにツッコミどころも色々あるのだが(^^ゞ、ここは基本的に温泉ブログの視点を守りたい
とは言え、やはりインパクトのある外観だ
こちらは立寄り入浴だけでなく、しっかり宿泊もやっている。
しかも素泊まりだと2600円からと、エリアを考えても安い
今回は立寄りで利用させていただく。
ピラミッド元氣温泉
数ある温泉施設の中でもトップクラスに変わった建物だが、こちらは温泉だけでなく、瞑想室の貸出や、美術館(ピラミッドやエジプトの美術とは違うようだが)もあり、舞踊やカラオケ、焼き鳥屋まであるのだ。
個人的にもエジプトの音楽を演奏することもあり、心してスフィンクスを通り抜ける。
立寄り入浴料は550円(現在は600円)。
エジプト人ではなく、中国人の女将が応対してくれた。
受付の近くにはインパクトのある展示が。
巨大なアメジスト。
こちらの美術館はこのような奇石や奇木などを主に展示しているようだ。
ロビーはわりと普通の温泉施設な感じである。
17時頃に訪れたのだが、近所から通う入浴客はちらほら見かけた。
古式ゆかしいソファとカーペットの色合いが、独特な存在感
浴場へ向かう廊下には美術館に納まりきらなかったものだろうか、展示物が並んでいる。
ここを抜けると浴場エリアとなりそうだ。
壁にはまだ展示物が見えるが、やはりどうにもならないゲームコーナーがあったり(^_^;)
そしてようやく浴場へ到着…温泉ブログの視点云々とか言いながら、やはり色々目移りしてしまう内容なのだ…これでもずいぶん写真を省略しました
浴場は純和風な暖簾で迎えてくれた。
男女別に大浴場、露天、繭の湯(洞窟風呂)などがそれぞれある。
他にもサウナや岩盤浴などあるが、温泉利用のものは全て同じ源泉を使用している。
脱衣所の壁上部が傾いているのは、ピラミッドの傾斜だと思われる。
エジプトとかピラミッドや展示物はさておき、普通に入浴に通う人は老若男女、結構いらっしゃるようで、そう、なかなか流行っているようである。
こちらの温泉、ご近所の若者からは、通称「エジプト」と呼ばれているという話も聞いたことがあったような
では大浴場へ。
湯気で不鮮明なのはご容赦を。
二つの浴槽は分かれておらず、写真↑の奥が「あつい」、真ん中あたりが「てき温」、手前が「ぬるめ」と表記されている。
湯口が奥にあるためだが、よってより新鮮と思われる「あつい」浴槽を中心にレポート。
なお写真↑の真ん中あたりにある柱は「氣柱」と名前がついており、ピラミッドの中心に位置する、言わばピラミッドの大黒柱。
ここを背中にして入浴するとピラミッドパワーをより感じるとのことだが、入浴中はその存在に気付かなかった(^o^;)
そして左↑にはサウナも見えるが、これはパスした。
洗い場も広く、カラン&シャワーの数も十分。
ピラミッドというだけあって、天井も高いが、構造的に湯気は溜まるようだ。
ごく僅かに黄色透明の源泉は、源泉名「ピラミス源泉」。
源泉温度49度、pH8.0の単純温泉。
成分総計は0.368g/kgである。
季節によっては加水するらしいが、おそらく完全かけ流しにて使用していた。
湧出量は180リットル/分と十分。
そして湯口の存在感がスゴい。
「神童と安らぐ慈母観音」とのことである。
ピラミッドのことはしばし忘れざるを得ない
ちなみにこの湯口の前では、ごく僅かにアブラ臭を感じた。
浴槽レベルではほぼ無臭。
淡いほろ苦味があった。
浴槽の真ん中には湯口をも凌ぐ像が聳えている。
この像のタイトルは未確認。
やはり心はエジプトからアジアに引き戻されている
湯の最大の特徴は、そのトロトロ具合であろう。
しっかりしたツルスベ感で、トロトロで肌にまとわりつく
これに病みつきになる近所の人たちの気持ちがよく分かる
しかし分析表の数値を見ても、このトロみがどこから来てるのかよく分からなかった。
トロトロの指標になる炭酸イオンは0mgだし、ツルスベ感に影響する炭酸水素イオンは98mg。
弱アルカリ性だし、まあ目立つ数値はメタケイ酸の213.8mgだが、トロとは違うはず。
まだまだ勉強が足りないということですな。
では建物から出て露天風呂エリアへ。
庭を見ても、やはりピラミッドやエジプトはどこかに行ってしまっている。
もう全く気にしないのである。
木の浴槽の露天風呂は、内湯の規模から考えるとかなり小さい。
源泉温度(49度)からして、大きくしてぬるくなり過ぎることを考えると、これでよいと思う。
2~3人ぐらいの規模であろうか。
茶色がかって見えるが、実際は内湯と同じく微々黄色といった具合。
源泉の投入量は少ないが、入る人も少ないのか、新鮮さは保たれていた。
トロ~り、ツルスベ感がやはり心地よい
内湯でもそうだが、茶色の湯の花が多数舞っている。
こちらでは湯の花のことを、湯宝と称して説明してあった。
それでは露天の奥にあるのが「繭の湯」と呼ばれる、洞窟風呂。
湯気を籠らせる意図があるので、写真はさらに不鮮明になるm(_ _ )m
ハーブが焚かれているのか、源泉とは違う由来の香りがした。
打たせ湯かと思ったら、これが湯口であった。
「下に立たない!打ち湯ではない。」と命令調の表記があるのだ。
この浴場が、一泊二日の湯めぐりの締め湯となった。
思っていた以上に湯も湯使いも魅力的だった「ピラミッド元氣温泉」。
今度は安く素泊まってみたいとも思わせてくれた。
次にオマケでこの日の晩御飯を。
ピラミッド元氣温泉
栃木県那須塩原市接骨木493-4
0287-35-4141
立寄り入浴料 550円 (現在は600円)
<源泉:ピラミス源泉>
単純温泉 (弱アルカリ性・低張性・高温泉)
49度
pH 8.0
成分総計 0.368g/kg
180リットル/分(動力揚湯)
微々黄色透明
湯口で微アブラ臭、浴槽レベルでほぼ無臭
淡ほろ苦味あり
トロみを伴うしっかりとしたツルスベ感あり
完全かけ流し
2016年4月入湯
※数値はH18年の分析書より