塩原元湯温泉 「大出館」 | 温泉×酒÷音楽≒テディ熊谷

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サックスやフルートを吹いてるテディ熊谷のブログです。基本的に自分の忘備録のための温泉日記が中心です。参考になれば幸いですが、その湯は知ってる知らない、入った入ってないで張り合うつもりは一切ありません。そのほか酒や食話、もちろん音楽のことも取り上げます♪

那須湯本温泉の「山快」の後は、塩原の元湯方面に向かう。

 

 

見ごろジャストではないが、車中から見る山々は美しく色づいていた。

3つある塩原元湯温泉、まずは個人的に十数年ぶりの再訪となる「大出館」へ。

 

 

以前は宿泊でじっくり味わったが、何しろブログを始めるずっと前の昔のこと。

今回立寄りで思い出そう。

 

 

塩原元湯温泉 「大出館」

 

 

 

以前も現在も、日本秘湯を守る会の会員宿。

 

 

立寄り入浴料は600円

なかなか人気があるらしく、館内には老若男女の姿を結構見る。

 

 

秘湯を守る会のTシャツってあるんですねぇ。

宿泊したときは、せっせと守る会のスタンプを集めていた頃だった。

そのスタンプは確か10個貯まったはずだが、どこに再泊したっけ・・・

 

などなど考えながら、まず向かったのは混浴の「御所の湯」。

 

 

内湯に2浴槽、そして外に出れば露天風呂「岩の湯」がある。

先客が内湯に年配の男性が二人。

露天には若いカップルが居るようだ。

この年配男性の一人がまことに下品な爺さんで、内湯の窓から混浴している露天風呂を身を乗り出すようにガン見。

あまりに露骨で不愉快になった。

というわけで、こちらの浴場は短い滞在時間ゆえ、簡単に紹介。

混浴中だったので露天の写真は無し。

 

 

使用源泉は五色の湯と呼ばれる「御所の湯」。

源泉温度50.9度pH6.2含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(硫化水素型)

完全かけ流しにして使用している。

 

昭和54年の古い分析表だと源泉名は「五色の湯No.1」となっているので、途中で変わったのであろう。

この源泉は「墨の湯」がある別浴場でも使われており(「鹿の湯」)、そちらとは浴槽内の湯の色が違った。

さすが五色の湯といわれるだけある。

 

 

シンプルな洗い場のカランはお約束で黒くなっていたニコニコ

 

2つの浴槽、手前↓が「平家隠れの湯」。

 

 

奥↓が「御所の湯」。

 

 

共に湯口は別にあるが、ご覧の通り湯は浴槽同士行き来できる構造になっている。

湯の色は共に白緑色に濁り

常連によると、普段はもっと白っぽいそうだ。

コクのあるタマゴ臭があり、味わいはタマゴベースで、苦味とエグ味が強い

スベスベ感があった。

 

 

そして「墨の湯」がある方の浴場へ。

 

 

通常は混浴だが、14~15時、19~20時半は女性専用となる。

 

浴槽は2つ。

 

 

右が「墨の湯」、左が源泉「御所の湯」を使用している「鹿の湯」となる。

御所の湯が浴場名だったり源泉名だったり、塩原に鹿の湯だったり、なかなかややこしい(^o^;)

 

 

こちらの洗い場もシンプル。

シャワーは無い。

 

では「墨の湯」より。

 

 

使用源泉は「五色の湯No.3」。

例によってNo.2が気になるねぇ。

でこのNo.3、源泉温度52.6度、pH6.4の、含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(硫化水素型)

泉質名としては源泉「御所の湯」と同じだ。

成分総計は1.686g/kg、その内の総硫黄は、硫化水素イオン7.9mg+チオ硫酸イオン2.8mg+遊離硫化水素35.8mg=46.5mg

分析表の第一鉄イオン4.4mgに誰がつけたか○が付いており、これが墨っぽくなる要因なのか。

遊離二酸化炭素も255.7mgあるが、直接炭酸っぽさは感じられない。

 

 

自然湧出の湧出量は1.6リットル/分と少ないが、オーバーフローはしっかりあり、完全かけ流しにて使用している。

無理矢理たくさん湧出させた上に貯湯して温度が下がってしまい、加温循環させている施設は見習ってほしい。

 

源泉は無色透明だが、浴槽で確かに墨っぽい黒味を帯びて青黒く濁る

 

 

揮発系のアブラ臭があり、硫黄臭系はそれに隠れているのか、あまり目立たない

アブラ味が目立ち、タマゴ味は控えめ

エグ味苦味も少し感じた。

 

 

スベスベ感があり、黒い湯の花がある。

 

 

ではもう一つの「鹿の湯」へ。

 

 

使用源泉は前述通り、源泉「御所の湯」なのだが、浴場「御所の湯」のそれとは見た感じからして全然違う。

こちらは灰色がかった深緑色だ。

ちなみに「御所の湯」は上にも挙げたが、源泉温度50.9度pH6.2の、含硫黄‐ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(硫化水素型)

成分総計が3.21.mgあり、総硫黄は硫化水素イオン10.2mg+チオ硫酸イオン3.6mg+遊離硫化水素72.7mg=86.5mg

 

 

掘削自噴湧出量は148.8リットル/分と多く、もちろん完全かけ流し

白っぽい析出物もステキだ。

 

 

浴場「御所の湯」では感じなかったか気づかなかったアブラ臭がある。

その分、コク硫黄臭はやはり隠れている感じ。

タマゴベースで苦味とエグ味、淡い塩味があった。

 

 

遊離二酸化炭素が836.9mgとかなりあり、シュワシュワ感こそ全く無いが、味わいには影響していると思われる。

墨の湯」にあった鉄イオンは全く無い。

 

 

スベスベ感はやはりちゃんと感じられた。

 

どの浴槽の湯も素晴らしく、複雑な風味を持ち、何度でも入って確かめたくなる。

時間を置いて、また再訪したい。

 

 

 

塩原元湯温泉  「大出館」

 

栃木県那須塩原市湯本塩原102
0287-32-2438
立寄り入浴料 600円

 

<源泉:御所の湯>

含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(硫化水素型)

(中性・低張性・高温泉)

50.9℃

pH6.2 

成分総計 3.213g/kg

総硫黄 86.5mg

148.8リットル/分(掘削自噴)

源泉で無色透明

浴槽で白緑色(御所の湯)、灰深緑色(鹿の湯)に濁り

コクのある硫黄臭あり(御所の湯)、アブラ臭あり(鹿の湯)

タマゴ味、苦味、エグ味、淡塩味あり

スベスベ感あり

完全かけ流し

 

<源泉:五色の湯No.3>

含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(硫化水素型)

(中性・低張性・高温泉)

52.6℃

pH6.4 

成分総計 1.686g/kg

総硫黄 46.5mg

第一鉄イオン 4.4mg

1.6リットル/分(自然湧出)

源泉で無色透明

浴槽で青黒墨色に濁り

揮発系のアブラ臭、微コクタマゴ臭あり

アブラ味、微タマゴ味、淡苦味、淡エグ味あり

スベスベ感あり

完全かけ流し

 

2015年11月入湯

※数値はH16の分析表より