かなり間が開いてしまったが、阪神間レア源泉シリーズの再開。
まずは今までのおさらいをしておきましょ
そして第5湯は、某廃業旅館の源泉である。
温泉名を明らかにしようか迷ったのだが、その源泉は旅館跡地に自噴・垂れ流しというわけではなく、近隣の住人の方が共同で管理・使用されているようで、許可を得てその源泉をいただいたため、某所扱いとさせていただく。
実はその源泉があふれ出ている場所があるという情報があったのだが、最近の土砂崩れか何かで確認できなくなっていた。
ただ付近には湧き水的に使用されている泉源も多く、このように農業用水として使用されているものも、もしかしたら某源泉と同じ泉質を持つのかもしれない。
さて、ではその旅館跡に行ってみよう。
某所 廃業旅館源泉
旅館の建物の壁なのだが、以前はペンキで大書きされた温泉名(旅館名)がしっかりと見えていたようだ。
今は時の経過と共にこのような状態。
建物の正面は遠目に見ると朽ち果てているとまでは見えないかもしれないが、廃業してから数十年経つようで、実際は廃墟である。
中は旅館の原型はもはやなく、その後におそらく別の使い方をされていたのかもしれないが、それすら残骸が放置されているような状況。
廃墟マニアではないので、中の探索はしなかった。
源泉の湧出場所は別なのが分かっていたからである。
そしてその貴重な源泉は、しっかり地元の生活の中で使われていた。
この廃業旅館のすぐ近く、とあるお宅の軒先にある蛇口。
普通に生活用水のような体であるが、ここからでる約27度の透明な液体は、紛うことなき硫化水素風味を伴っているのである
ケロさんの聞き込み調査により、この蛇口から出る液体が廃業旅館が使用していた源泉と同じものであることが確認された。
しかしこの蛇口は一般の道路沿いにあり、せいぜい味見ができるような環境でしかない。
そこで長~いホースを持参し、この蛇口に装着。
せっかくだから某廃業旅館の敷地内までそのホースを引き込み、そこで持参のバスタブ(タライ)に投入し、湯浴みと洒落込もうではないか
ちなみにこの一連の行動は、すべて近隣の方の許可を得て行われたことをご理解いただきたい。
ステキな手水鉢に落ちる源泉を失敬し、ホースを導くこと○メートル。
某廃業旅館敷地内の、道路からは目隠し状態になる場所に設置したタライに注ぎ込んだ。
無色透明で、硫化水素臭のする源泉がみるみる注ぎ込まれる。
夏の暑い日、浴槽レベルで温度は30度ほどになった。
タマゴ味と、微塩味がする。
たまらず脱衣し、イン
黒っぽい糸状のものは果たして湯の花なのか、配管に付着した何かなのか。
弱めながらスベスベ感のある、心地よい湯なのである
単なる水浴びという無かれ~!
自由自在なる湯口である
もちろん完全かけ流し
これは夏限定かもしれないが、ゴキゲンな湯でしたわ
数十年前に湯宿が繁盛していたころに思いを馳せながら、おそらく変わらぬ源泉を味わえた、貴重な一瞬。
快く源泉を提供してくださった住民の方に感謝!
某所 廃業旅館源泉
温度が足りれば単純温泉か、あるいは温泉法のみなし温泉
27度(実測)
無色透明
硫化水素臭あり
タマゴ味と微塩味あり
スベスベ感あり
2013年8月入湯