ぼくの実家がある宝塚駅からJR福知山線で3つ行っただけで幽玄な深山の秘湯を思わせる武田尾温泉がある。
国鉄時代は駅がもう一つ少なく、また路線も現在と違うルートだった。
渓谷を縫うように線路は続く、車窓の素晴らしい非電化単線だったのである。
しかも大阪駅から当時で1時間ほどの距離で。
子供の頃はバリバリの鉄っちゃんだったぼくは、その車窓を楽しむために初乗り運賃の往復額を持ってしょっちゅう乗り鉄していた。
旅客運用では珍しいDD13のディーゼル機関車が牽く、それこそオハ31系なんて旧い客車も使われていたりしたなぁ。
現在その旧ルートはハイキングコースになっている。
そんな武田尾温泉は近すぎてこれまでに一度しか訪れたことが無かった。
前回はマルキ旅館だったが、今回は真打「元湯旅館」。
温泉博士の手形を使用させてもらう。
立寄りは要予約のため、しっかり電話してから行った。
新しいルートになった鉄道は使わず、車で来訪した。
このゲートの奥に、マルキ旅館、河鹿荘、そして元湯旅館がある。
ちなみに数年前に温泉マニアの間で話題になった湯を使った紅葉館は川を挟んで逆側にある。
マルキ旅館の細い路地を進むと、元湯旅館の入口が…ここを車でさらに進む!
武田尾温泉 「元湯旅館」
当時はモダンだったであろう建物は、やはり鄙びていた。
入浴料1000円のところを博士手形で無料。
誰もいないロビーにはご主人の趣味であろう、CDでモダンジャズが流れていた。
置いてあるパンフレットもかなりの年代もの![]()
しかも路線図を見ると…おお、国鉄だ。
ぼくの好きな時代の福知山線だ!
さて、浴場は建物の奥にある。
どうも別館の浴場に案内されたらしい。
途中にはマニアのハートをわしづかみにする素敵な光景が…![]()
男女別の浴場はどうかというと…。
湯気で見えにくいが、こちらはモダンであった。
モダンにしちゃって残念ながら循環である。
源泉温度25.3度の単純温泉を加温して使用。
オーバーフローは基本見られない。
消毒はしてあるが、塩素臭は全然しなかったのが救いである。
無色透明でほぼ無味無臭。
弱いスベスベ感がある。
それにしても源泉をそのまま味わいたい。
と言うわけで洗い場のカランを捻ったら…やった、そのままの源泉だ!
白ケロリンの桶に注がれる湯は微硫化水素臭があり、淡く麦のような香ばしい味わいもある。
小さな白い湯の花も見られるではないか。
25度ほどの温度だが、当然浴びましたよ![]()
浴後のスベスベ感もしっかり。
ちなみに誰もいない女湯も覗かせてもらったが、ほぼ同じつくりだった。
本館の大浴場の方は行けなかったのが残念。
湯使いは同じと思われる。
子供の頃からの憧れの武田尾。
そこの源泉はまだ健在だった。
武田尾温泉 「元湯旅館」
兵庫県西宮市塩瀬町名塩4205-1
0797-61-0234
入浴料1000円のところ、温泉博士の手形で無料
単純温泉(単純放射能泉の表記もあるがマッヘの値が足りない)
低張性・弱アルカリ性・低温泉
25.3度
pH7.5
3.59マッヘ
成分総計0.2738g/kg
浴用で無色透明・ほぼ無味無臭
源泉で無色透明・微硫化水素臭・淡い麦味
浴用で加温・循環ろ過
消毒ありだが臭わず











