中棚温泉 を後にしてどちら方面を攻めようかと迷いつつ、丸子温泉郷方面へ向かうことに。
まずは国道254号から入ってドン突きにある霊泉寺温泉へ。
1つ入るならやっぱり共同湯かな。
霊泉寺温泉共同浴場
温泉街にある無料駐車場に車を停め、しばし通りを探索。
うぅむ、なかなか寂れているのは平日だからか。
一説によると西暦968年に霊泉寺脇から温泉が湧出したという歴史を持つらしい。
この鄙び感も薄目を瞑れば古きよき湯宿の佇まいが浮かび上がってくるってものだ。
さて共同湯の扉を開け、200円を箱に入れ、いざ浴室へ。
先客は地元の方らしい人が二人。
浴場内に漂う湯の香りは淡い硫化水素系で、なんとも心地よい。
浴槽は1つで無色透明の美しい湯が滔々とかけ流されている。
微硫化水素臭があり、微硫黄味がある。
源泉温度43.8度のアルカリ性単純温泉。
加温も加水もしていない。
消毒は掃除のときだけのようで、塩素臭なんてまったくしない。
小さなタイルを集めて丁寧に作られた浴槽に透明の湯がかけ流される姿はなんとも美しいものだ。
透明な湯の場合、ヒノキや岩の風呂より個人的には好きだったりする。
浴感にさほど特徴はないが、石膏泉系と思われる柔らかい湯である。
浴槽で温度がちょいぬる目適温のためずっと浸かっていられる。
実際湯口の脇に陣取った年配の人は寝入ったかと思うほどしばらく動かなかった。
ぼくも予定時間をオーバーして身体全体で湯を味わった。
こういう地味ながらしみじみ染み入る湯がある共同湯こそ、丁寧に味わいたいものだ。
なぜなら静かながら誇るべき、伝えるべき温泉文化があるからだ。
霊泉寺温泉共同浴場
上田市平井字唐沢口2515
0268-42-1048(丸子町観光課)
入浴料 200円
アルカリ性単純温泉(アルカリ性・低張性・高温泉)
43.8℃
pH8.9
成分総計 0.9963g/kg
無色透明
微硫化水素臭あり
淡硫黄味あり
完全かけ流し
清掃時のみ塩素消毒あり