126 | 熊本大学ボート部

126

お世話になっております。M1の天本です。

インカレを終え、敗北の虚しさを抱えたまま、このブログを書いています。


まずはじめに。大会の運営に尽力してくださった関係者の皆様、共に戦ってくれた仲間たち、ペアを組んでくれた川口、最後まで応援してくださったOB・OGの皆様、そして借艇や練習試合など多方面で支えてくださった東京経済大学ボート部の皆様、この場を借りて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。


これは決して引退ブログではありません。インカレの振り返りブログのつもりですが、少し長くなってしまったので3章に分けて綴らせてもらいます。


1. ペア結成から今日までの道のり

2. なぜ、天本一宏は引退しないのか

3. これからの私について




1. ペア結成から今日までの道のり


きっかけは昨年の国スポでした。

「来年はフォアで挑戦したい」という先輩の一言から、4月末に本格的に動き出しました。そのときに声をかけたのが川口でした。医学部で誰よりもエルゴが速く、スイープの経験も豊富な彼なら一緒に戦えると信じたからです。


県選抜が決まってから練習のために組んだペア。それがインカレに挑む今回の始まりでした。


「日本一になるために」

というのを常に意識しながら練習しました。

7分カットを目標に掲げ、よしやるぞと意気込んでいたものの、様々な壁にぶち当たりました。

• 江津湖の分厚い水草にラダーを奪われ、制御不能になったこと。

 大学院生と医学科、互いに時間が足りず、思うように乗艇できなかったこと。

• 実戦経験を積めず、不安を抱えたまま本番を迎えてしまったこと。

他にも天候の問題など色々な障壁があり、十分な乗艇練習ができないまま戸田入りしました。

 そしてその結果、予選1週間前に組んでもらった東経大との並べでは22秒差の大敗。逆風だったとはいえ、ターゲットタイムとは程遠く

「自分たちはまだこんなにも弱いのか」

突きつけられた現実に打ちのめされました。気づくのが遅すぎました。


予選当日。蹴り出した直後、ラダーに違和感を覚えました。それでもなんとかなると信じ込んで発艇地点に向かう。

レースが始まると、やはりうまく艇を制御できず、ただ必死にレーン侵害だけを避けてゴールするしかありませんでした。経験不足ゆえに、自分の判断が裏目に出てしまいました。

ラダーを修理して臨んだ敗者復活戦では、序盤から出られる苦しい展開。

それでも「最後まで自分たちの漕ぎに集中しよう」と約束し、コンスタントを伸ばしました。

第3Qまで食らいつき、最後は4着。

敗れはしたけれど、やっと自分たちの漕ぎをぶつけられた感覚がありました。

まさにそれは、私が前回書いたブログで言及した

「Just what we wanted」を体現できたという実感でした。

それでもやはり、虚しさが残りました。

2000mを漕いだのは、まだ3本だけ。

日ごとに少しずつ良くなっていく手応えがあった。伸びしろしかなかった。

それなのに、インカレはたった2本で終わってしまった。

「もっとやれたはずなのに」


その思いだけが胸に残って消化不良を起こす。





2. なぜ、天本一宏は引退しないのか


ボートが楽しいからというのもありますが、それだけで続けられる競技ではないのはボートを長く漕いできた皆様ならよくご存知かと思います。挙げるとキリがありませんが、私にとって一番大きいのは

「同期として共に戦った126期の存在」

です。


これを自分が言うことに若干の抵抗はありますが、はっきり言って126期の功績は偉大です。

(自慢げに語るなよとか言わないでくれると嬉しいです…)

主将の八谷を中心として、コロナ禍で崩壊した部を一から立て直したのは、紛れもなく私たち126期であり、苦しみを共にしながら乗り越え、成長できたことを今でも誇りに思います。

本当に辛かったし、それは皆同じだったと思う。

そんな過去があったからこそ今があるってことを、後輩たちには知っておいてほしい。

最近は、たくさんの部員が楽しそうに活動しているのを見ると、126期の努力が報われたのを感じ、ふと目頭が熱くなることがあります。

そんな幸せを享受できることも、私がボートを続けるための一助になっています。















126期、本当にありがとう。

私にとって日本一の同期です。





















126期ボート部のメンバー?


ここまでバトンを繋いでくれた後輩たちも、どうもありがとう。そして、お疲れ様でした。


高級スイーツを頬張る129期主将




 大学に残された私の使命は、126期が作り上げたボート部が次世代に引き継がれていくのを見守り、支えることだと思っています。私はさほど器用ではないので、漕ぐことでしか部に貢献することができませんが、せめて部の力になればという思いで、明日からもボートを漕ぎ続けます。もしまた部が崩壊してしまったとき、手の届く自分が何もしていなかったら、後悔するに違いない。後悔しないためにも私はオールを持ち続けます。



3. これからの私について


私は大学院生で、もう学部生のようには漕ぎ続けられないという現実から目を背けることはできない。長期にわたる調査や分析作業で、練習から離れる時間もこれから増えていきます。


それでも。

小艇であれ、大艇であれ。私にできる形で、このチームに貢献し続けたい。


最優先はチームが勝つこと。日本一に最も近づける道を、私は全力で後押しします。その判断は現役部員に委ねます。

でも、ものすご〜く欲を言うのであれば、日本一の同期が残してくれたこのチームで、日本一になりたい。


最後に。これからも道具の扱いについては、しつこく言い続けると思います。

艇は、ちゃんと拭いてな。