諦めないで
気付けば漕歴9年目。大抵はスカルオールを握っていたものの、最近はようやくスイープにも慣れてきた天本です。
新入生がたくさん入部してくれて、最近の艇庫の賑やかさに私も元気をもらっています。
自己紹介ブログももう一度読み直して、みんなのことをしっかり覚えたいです!
そんな1年生を見ていると、自分がボートを始めた頃の記憶が蘇ります。
楽しそうにエルゴを引いていたり、ロースーを着ずに乗艇していたり、TTで最初から全力で漕いでバテていたり。
どれも昔の自分とそっくりで、懐かしさと微笑ましさがこみ上げてきます。
私がボートを始めたのは、高校1年生の時。
この少年を見てください。まさかとは思うかもしれませんが、かつての私です。
たしかこのあと沈するんだっけ…。
今では考えられないほど細く、弱々しい体つきをしていますね。
当時の体重は確か55kgくらい。
中学までピアノ一筋だった私は、体育の授業では“運動音痴枠”として目立っていました。
病弱なところもあり、パワーもなければ持久走もいつも置いてけぼり。
そんな状態で、運動経験者ばかりのボート部に飛び込んだ私は、最初は本当にやっていけるのか不安でいっぱいでした。
案の定、その差を埋めるのは容易ではなく、2年次では選考にも落ちて九州大会やインターハイでは補漕。
同期が大会に向けて本格的な練習に取り組む中、私は1日40分だけ与えられたシングル乗艇の時間以外は、ほとんどを1年生指導のCoxとして過ごしていました。
悔しくて、人知れず涙を流したことを今でもよく覚えています。
それでも9年の時を経て、今では体重約75kg。
健康的でパワフルな肉体を手に入れることができました。
この経験から、今「自分は弱い」と感じている人にこそ、
「諦めないで」と強く伝えたいです。
私を変えたものは何だったのか。
いろいろ思い浮かびますが、あえてひとつ挙げるとすれば――
食事
だと思います。
私の母は、病弱だった私のために、いつも栄養バランスの整った食事を作ってくれました。
イチロー選手を真似して「朝ごはんをカレーにしたい」と言ったときも、快く受け入れてくれて、朝早くから作ってくれました。
スパイスのおかげで食欲が湧いて、朝が苦手な私でもしっかり食べることができました。
当時から、私は本当に食生活に恵まれていたと感じます。
さらに、同じクラスには県内有数の強豪として知られる野球部の部員も多く、彼らを真似して休み時間には購買で間食を買いに行っていました。
1日の食事回数は最低でも5回以上。
練習後のプロテインも欠かさず飲み、HMBやビタミンサプリなども活用していました。
食事の大切さは当時から意識していたつもりでしたが、1人暮らしを始めてから、改めてその重要性を痛感しました。
品数が少ないと、1食ごとの栄養バランスが崩れがちになります。
安価な食材ばかり選んでいると、メニューが単調になり、長期的に栄養が偏ります。
財布がピンチなときには、つい安くて高カロリーな食品に頼りがちですが、大抵それは脂肪ばかりで、たんぱく質は少ないというのがお決まりです。
カルシウムも、牛乳や小魚、大豆製品などを意識的に摂らないとすぐに不足してしまいます。
栄養バランスを考えて食事を作ると、気づけば「給食のようなメニュー」になってしまうのも、あるあるですね。
そこでようやく、給食の偉大さにも気づかされました。
牛乳じゃんけん参加しといて良かった。
現在のボート部には幸運にも、週に2回「艇庫飯」という、栄養バランスのとれた食事をとる機会があります。
これは一般の大学生にはなかなか無い特権であり、漕手はそのありがたさを理解し、感謝すべきだと思います。
とはいえ、安心はできません。
一人暮らしの場合、その他のほとんどの食事は自分自身の判断に委ねられています。
良くも悪くも、その判断の積み重ねが、自分の身体を形づくる鍵になるでしょう。
ここまで、食事の大切さについて偉そうに語ってきましたが、もちろんそれは「日々のトレーニングをサボらず行っていること」が前提です。
その上で、同じ練習量をこなすライバルと差をつけるためには、食事に限らず、
「練習時間外の判断や行動」
が重要だと思います。
例えば、普段から上手な漕ぎの動画をよく見ている人は、自然と良いイメージが頭に染みつきます。
自分の漕ぎの映像をたくさん見ている人は、上手い人との違いに気づきやすくなります。
ついスキマ時間にリール動画をスクロールしてしまうなら、それをボートの動画に置き換えてみてもいいかもしれませんね。笑
今回も少し長くなってしまいましたが、私から伝えたいことは以下の4点です!
① 今は弱くても、挫けるな!努力次第で、きっと強くなれる!
② スポーツ選手にとって、食事は超大事!成長スピードで差をつけよう!
③ 食事だけでなく、練習時間外の行動にも、自分を変えるヒントがある!
④ 牛乳じゃんけんには参加しよう!
少しでも、誰かの励みになれば嬉しいです。
自分自身のために、そしてチームの成長のために- -
一緒に頑張っていきましょう!
ここまで読んでくださって、ありがとうございました!
次回、私の担当回では
「とある恩師の忘れられない言葉」
について書こうと思っています。どうぞお楽しみに!
以上、一宏でした!