轍 | 熊本大学ボート部

卒論提出が1月末なのを先週知り最近焦り始めた4年の八谷です。


引退ブログを書いて欲しいと後輩に言われた訳ではありませんが、書きたくなったため現在記しています。最後まで自己主張の強い先輩ですがお付き合いいただければと思います。


さてさて9月上旬にあったインカレからちょうど1ヶ月経ちました。結果としましてはD決勝1着、全体16位でした。


今回のインカレは台風の影響により準々決勝が無くなり、準決勝は予選と敗者復活のタイム順で決まりました。これに対して様々な大学の指導者の方が大会本部のオープンチャットへ抗議したのも虚しく、我々は敗復のタイムよりD決勝へ回りました。


僕は今年の春先にブログで

「ボートは着順を争うスポーツです。誰よりも早くゴールすれば、(中略)勝てるのです。」

と書いたのですが、まさかの半年の時を経て大フラグを回収してしまいました()


D決勝のレースの振り返りとしましては、スタート500のラップタイムとレートが明らかに高くこれ絶対後半死ぬやんとか、案外鹿屋に追いつけなくてこのまま2着で終わってくのかなとか思って橋をくぐり抜けた記憶がありますが、気づいたら左側に観客席があり、1レーンから青学がグイグイ来ていました。しかしその時ふと頭の中に狭い部室で1人エルゴの1分on/off×8×2をしていた時の風景が頭に浮かんできました。だいたい僕は1セット300mぐらいだったので

「あの8セット目を今からやればいいんだ」

と何故か俯瞰でき、スパートの切り替えから何とか逃げ切れ一着でゴールすることが出来ました。


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2年生の時、自主練のエルゴに先輩を誘った事があるのですが先輩に最初は笑って誤魔化され、その後もしつこくお願いしたら

「俺たちは戸田勢に勝とうなんて思ってないから」

と半ギレで言われ、まだ当時大会に出たことなければ戸田がどんな所かすら分かっていませんでしたが、怒りや失望、悲しさから僕は自主練のエルゴに人を誘うことがトラウマになってしまいました。そこからエルゴの自主練はずっと1人でしたが、後輩のみんなにはそんな悲しい思いはして欲しくありません。エルゴに誘われたら気兼ねなく受け入れる人になってほしいです。エルゴなんて1人でずっとやってたら心が荒んでしまいますからね。一旦頭のネジ外して、たとえ気が乗らなくても横で一緒にエルゴをしてあげてください。気づいたらエルゴの事が好きになっていると思いますよ😉


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レースが終わり桟橋へ付けると義朗さんがびっくりするくらい鼻を赤くして泣いていました。レース直後は悔しさや嬉しさは無かったのですが、つられて泣いてしまいました。


本音を言えば準々決勝で日体、成城あたりとバチバチに準決勝をかけて戦いたかった(予選、敗者復活のタイムを見て言ってます。傲慢ですいません。)という悔しさもありますが、案外悔しさよりやりきったという気持ちの方が大きかったです。なぜならこれまでの練習、特に最後の1年間は自分に妥協せず、全てのモーションにおいて限界まで体力的にも技術的にも最大限できることをしてきたと胸を張って言えるからだと思います。




僕は入部してからよくOBさんに

「みんなが楽しく漕げて部が潰れなければそれでいい」

というのを言われてきました。しかし僕はそれに対してぎこちない笑顔で返すばかりでした。僕が入学する前に部内で不和が生じ部の存続が危ぶまれた時があったらしいのですが、それはそっちの都合なだけで知ったこっちゃねえ、とずっと思っていました。そんな結果なんて二の次の集団が本当に部活なのかと。僕は入学する前にボート部のPVを見てエイトと付きフォア(当時は分かっていませんでした)が並漕しているのを見てかっこいいと思ったし、動画内で

「みんな0からのスタートで日本一という夢へ」

と言うフレーズに惹かれ入部しました。しかし入部した時、エイトを出せる人数はおらず艇庫はガラガラだったのを覚えています。あとから聞いたらその動画は数年前の素材を使っていたとの事でした。


OBOGさん達に向けて今はそんな状況ではなく結果を求めて頑張っているんだということを今回のインカレで示したかったのですが叶いませんでした。今後は大会に出る度にOBOGさん達から"お疲れ様"だけではなく"おめでとう"と言ってもらえるように後輩達には結果にこだわってほしいです。


そのためにこれまで当たり前だと思っていた事にメスを入れていき、どんどんアクションを起こしていくべきだと思います。歴史は受け継ぐものではなく創るものです。過去にこだわらず自分たちのやりたいように、他人に迷惑をかけない範囲でボートに取り組んでほしいです。


来年からは九州を離れるため練習に顔を出すのは難しくなると思いますが、SNSから大会の結果を見ているのでみんなが笑顔で賞状やメダルを持っている写真があがることを期待しています🙌




これからオフシーズンに入り寒さや練習メニューにより部活に行くのが億劫になるかもしれません。最後に格言大好きおじさんとしてそんな時に思い出して欲しい格言を後輩達へ送ります。


「退屈なのは世界か、自分か」


日々の練習が退屈なのを周りのせいにせず、自分から行動を起こしたり工夫したりして、物事の見方を変え視野を広めていくことで厳しいオフシーズンもきっと全員で乗り越えていけると思います。


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恐らく史上初4年間誰1人辞めなかったという快挙を達成した最高の同期へ



天本

戸田に行く前にお願いして帽子に書いてもらった言葉にとてもハッとさせられた。特に最後の1年間は自分自身を追い込みすぎてボートの楽しさを忘れていたところにめちゃくちゃグサッと刺さった。戸田入りしてからは思うように艇が進まなくて、予選3日前にシート順の変更を提案した時嫌な顔せず応えてくれたからD決勝で1着になれたと思う。あと1年大学との契約()が残っていると思うから来年は5年振りの熊大から全日本&海の森頑張って🥳



小玉

今年の年明けに久しぶりに会いたくてよかろうもんに誘った時に

「八谷と話して心が軽くなったわ」

と言ってくれたのは本当に嬉しかった。雨の中パンジャブ行った話は今後熊大ボート部に受け継がれていく古典芸能になったらいいね💕



瞳ちゃん

仲良くなったと思ったら急に距離取られたりと絶妙な距離感取ってくるなと思ってたけど、滲み出るボートに対する情熱は頼もしかった。瞳ちゃんがいたから熊大ボート部は首の皮一枚繋がったと本当に思ってる。特に2021年年末から艇庫飯の復活とかコロナの活動制限に対する署名集めとかでほぼ毎週学生課に文句を言いに行った事、初めての遠征だった関西選手権の時に借りたハイエースをボッコボコにして借りた所が事実上の出禁になった事、去年のインカレで俺の不手際があったばかりに迷惑をかけてしまった事、ドタバタだったけどで何とか九大と合同合宿ができた事、朝練終わりにジョイフルとかマックで新歓会議をした事、そのどれもがいい思い出です(^^)

(過去の悪事を美化しているつもりはないです。今でも反省しています🙏)

ps.卒業旅行の話を進めたいから早くLINE返してね


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最後になりますが、借艇に関しましてこちらの要望に対して柔軟に対応していただいた一橋大学様、急遽大会期間中に借艇をお願いしすぐに承諾をいただいた千葉大学様、大変遅くなりましたがありがとうございました。


またOBOGの皆様や指導していただいた先輩方、ありさん、義朗さん、そして両親には沢山の応援をしていただきました。自分自身至らぬ点が多くありましたが最後は悔いなくやりきることが出来ました。本当にありがとうございました。



126 八谷優希