やぁ、神子姫様。

こうしてお前に会いに来るのも
随分と久し振りになってしまったね。
気が付けば秋の気配も随分と深くなって
肌寒さも感じられるけれど
お前は、元気でいるかい?




曼珠沙華の鮮やかな赤に目を奪われてしまってね。
お前にも見せたくなってしまったのさ。

曼珠沙華、彼岸花、死人花、幽霊花、
おそらくこの花ほど、異名を持つ花もないだろうね。
天上と地獄、両方の名を持つのもね。

火炎花なんて呼び名もあるね。
浄化の炎と見るのか
或いは地獄の業火と見るのか…。
人それぞれなのかもしれないね。
どちらも間違ってはいない。
ただ、あるがままに受け入れ受け止めるのか
否定して、自分の価値観を押し付けるのかの違い。
それがその人間の器の違いって事だろ?

あぁ、弁慶の予想は、半分だけ当たってるかもね。

今回は、ゴンドラの入手までは出来たけどね。

スペシャルクエストが、なかなか発動してくれなくてね。

残念ながら噴水は入手できなかったよ。

まぁ、今のオレの庭の広さでは、恰好つかない事この上ないからね。

ゴンドラの入手までで良しとしなくちゃならないかな?




水軍の船に比べるとずいぶんと優雅な事この上ないけれど

姫君との逢瀬には、丁度良いかもしれないね。


ふふ、お手をどうぞ、愛しいオレの神子姫様。

やぁ、神子姫様。

久しぶりだね、元気だったかい?

ん?ザイフリボクって何かって?

采振り木と書くんだけどね。

これは、白い花が采配のように見えるところから

つけられた名だそうだよ。

別名をシデザクラ(四手桜)とも言ってね。

注連縄や玉串についてるひらひらした紙のことなんだけどね。

まぁ、オレとしてはシデザクラの呼び方のほうが好みかな。

どんな花か?って…

花の時期は終わってるんだけどね。

姫君のお願いなら何とかしなくちゃいけないね。

以前、写し撮っていたものだけれど、

あまり鮮明じゃないのは勘弁してくれるかい?





で、今回オレがお前にと思ったのはこっちのほうさ。

ちょうど、今が食べ頃になってきていたからね。

お前の世界のブルーベリーとかいうのに

実の形状が似てるらしいね。



ふふ、艶々してて、美味そうだろう?

お前の好みに合うと良いんだけどね。








立夏当日が大雨だったせいで、すっかり忘れていたんだけれどね。
日射しや新緑、風の匂いにも初夏の気配がしてきたね。




そうは言うものの朝晩はまだまだ気温が下がるからね。
体調を崩さないように、気を付けて欲しいかな。

もし、体調を崩したなら、オレが介抱してあげるよ。
弁慶の薬よりは、良いだろう?
オレとしては、お前の笑顔の方が、見たいけどね。
そろそろ、葉桜が目につくようになってきたね。
とは言え、まだまだ楽しませてくれる花もある。
お前は、どっちが好みなんだい?





もう少ししたら、藤も楽しませてくれるだろうね。
もっとも、お前に勝る花はないけどね。