やぁ、神子姫様。

こうしてお前に会いに来るのも
随分と久し振りになってしまったね。
気が付けば秋の気配も随分と深くなって
肌寒さも感じられるけれど
お前は、元気でいるかい?




曼珠沙華の鮮やかな赤に目を奪われてしまってね。
お前にも見せたくなってしまったのさ。

曼珠沙華、彼岸花、死人花、幽霊花、
おそらくこの花ほど、異名を持つ花もないだろうね。
天上と地獄、両方の名を持つのもね。

火炎花なんて呼び名もあるね。
浄化の炎と見るのか
或いは地獄の業火と見るのか…。
人それぞれなのかもしれないね。
どちらも間違ってはいない。
ただ、あるがままに受け入れ受け止めるのか
否定して、自分の価値観を押し付けるのかの違い。
それがその人間の器の違いって事だろ?

あぁ、弁慶の予想は、半分だけ当たってるかもね。