人間の強さの立脚点は死ぬほど苦しんだと
言い切れる自覚である。
林家木久扇は、東京大空襲を経験しており、
コロナのステイホームなんて苦でもない。
真に実存できるのは限界状態(死や事故)に
立たされたときだ。
人は畏敬を感じると、自分と外部の境界が、
過去と現在と未来が、ごちゃまぜになった
永遠のような感覚が芽生える。
収容所では繊細な者が粗野な者より耐えた。
先の感覚が目覚めて、精神が自由となって、
豊かな内面に逃げることができたからだ。
ワイルドな経験や修羅場を体験することは、
行動に結びつく。
「こうなると死ぬかもしれない。
よし、焼き付けた」と言って戦いに出る。
自分を追い込むことは眠っている遺伝子を
覚醒させ、自信と適応力を獲得できる。
強烈な体験が、人を強くする。
