共に生きた事実や時間を覚えている限り、

死者は身体に存在している。

死者の声を聴き続けることができる。

 

しかし月日を重ね、しだいに死者を忘れ、

存在が薄れることは仕方のないことだ。

それでいいのだ。

 

死者は、生きている者の幸せを望む。

あなたの幸せを見守っている。

 

忘却の自責に囚われず幸せになること。

死は生き残った人のためにある。

 

死者の中には、自分が消えたくなくて、

子孫に墓を守らせて、名を残したいと

考える輩もいるだろう。

 

ただ、そんなエゴは二の次だ。

残された者の生活を最優先しよう。

 

「夫が死んだ時が一番輝いていた」

「自分が解放された」

「独りの力で生きてみたかった」

 

死者が天国でこんな言葉を聞けたなら、

悲しくも安心するのではないだろうか。