コロナと自転車利用 安全に走れる環境整備を
通勤に自転車を使う人が増えている。新型コロナウイルスの感染拡大で、混雑する電車を避けるためだ。飲食店の休業を機に、自転車による食事宅配の利用も進む。
政府は自転車通勤の促進を掲げて、啓発に取り組んでいる。街中の拠点に置かれた自転車を共用する「シェアサイクル」が広がりつつあり、さらに後押しする施策を有識者会議で検討している。
自転車は環境に優しく、健康増進の効果もある。災害時の移動にも使える。2017年には自転車活用推進法が施行された。重要な交通手段と位置づけ、積極的に利用を進めていくべきだろう。
ただ、走行台数が増えれば事故のリスクは高まる。そのため、自転車通勤を認めない企業も多い。
自転車の事故件数自体は年々減っているものの、交通事故全体に占める割合は増えており、昨年は21%に上った。特に歩行者との事故が増加し、相手が死亡するケースも起きている。
事故の6割以上は自転車側に交通違反がある。警察は取り締まりに力を入れ、危険な違反を繰り返す人に安全講習を義務づけた。だが、ルール無視は後を絶たない。
気軽な乗り物とはいえ、道路交通法上は自動車と同じ「車両」である。利用者は、「車道の左側走行が原則」などの決まりをきちんと守る責任がある。各年代を通じた安全教育も欠かせない。
事故に備えた保険の加入促進も急務である。今年4月現在で15都府県が条例で加入を義務づけた。この動きを全国に拡大したい。
安全を確保するには、自転車レーンなど走行環境の整備が鍵を握る。国土交通省などは12年にガイドラインを設け、各地の道路に走行位置が表示されてきている。
しかし、120万キロの道路総延長に対し、昨年3月時点で整備されたのは2260キロに過ぎない。せっかく完成しても、路上駐車でふさがれているところが目立つ。
コロナ下の欧州では、数十キロの専用路整備に乗り出した都市もある。日本でも、国や自治体の思い切った計画が必要である。
自転車は、自動車から邪魔者扱いされることが多い。自転車が安全に走れる環境の整備は、自動車優先の道路政策の見直しにもつながるはずだ。
【2020年7月26日/毎日新聞/社説】引用
どんなに強化されようとも、一向に減らないのが「自転車の危険運転」。
私の住む街でも、二列併走や歩道上を猛スピードでの走行などをよく見かける。
信号無視や逆相は日常茶飯事で、悪びれるそぶりもない。我が物顔で走っていく。
身近で年利な移動手段だからこそ、法律やマナーを守ってほしいものだ。
と、こんな風に自転車ばかりを悪者にすれば自転車の利用者も、もっともらしい言い訳をしてくる。
もちろん、四輪自動車や自動二輪者との速度差や違法駐車が邪魔になったりしている理由も、理解はしている。
だからって、片方ばかりを攻め立て、自分の非を認めないのは大人としてどうなのか。
歩道を猛スピードで走り抜けたり、逆相に飛び出しをしてもいい理由にはならない。
ながらスマホやイヤホンやヘッドホンを使用しながらの自転車走行をしている人が、またしても増えたようにも感じる。
無保険や期限切れの自転車も増え始めているそうで、危険性は増すばかりだ。
何はともあれ、まずは自らを見直してみよう。
https://www.pref.kumamoto.jp/hpkiji/pub/List.aspx?c_id=3&class_set_id=1&class_id=7146
(熊本県ホームページより引用)