第 1 問
 A市では,条例で,市職員の採用に当たり,日本国籍を有することを要件としている。この条例の憲法上の問題点について,市議会議員の選挙権が,法律で,日本国籍を有する者に限定されていることと対比しつつ,論ぜよ。

第 2 問
 「内閣は,条約を締結する際,その条約の合憲性について,最高裁判所の見解を求めることができる。最高裁判所が違憲であるとの見解を示した場合は,内閣はその条約を締結することはできない。」という趣旨の法律が制定されたと仮定する。この法律に含まれる憲法上の問題点について論ぜよ。

第 1 問
 買主Xは,売主Aとの間で,Aが所有する唯一の財産である甲土地の売買契約を締結した。ところが,XがAから所有権移転登記を受ける前に,Aは,Bに対して,甲土地について贈与を原因とする所有権移転登記をした。
   上記の事案において,(1) AB間の登記に合致する贈与があった場合と,(2) AB間に所有権移転の事実はなくAB間の登記が虚偽の登記であった場合のそれぞれについて,Xが,Bに対して,どのような権利に基づいてどのような請求をすることができるかを論ぜよ。
 2  上記の事案において,Bは,甲土地について所有権移転登記を取得した後,Cに対して,甲土地を贈与し,その旨の所有権移転登記をした。
 この事案において,(1) AB間の登記に合致する贈与があった場合と,(2) AB間に所有権移転の事実はなくAB間の登記が虚偽の登記であった場合のそれぞれについて,Xが,Cに対して,どのような権利に基づいてどのような請求をすることができるかを論ぜよ。