数年来、デ・キリコファンの私。



 なんと、松坂屋美術館でキリコ展があると知ったその日から、

 行かねば!と心に決め、昨日一人で行ってきました。



 うーん。

 

 なんだか、キリコの絵を観ていると、心にぽっかり穴が開いたような

 奇妙な感覚があります。



 絵の奥行きのずっと向こうにも、静謐な地平が広がっていて、生命感が

 まったく感じられない。



 よく、「世界に一人だけ自分が生き残ったら、どうする?」って

 質問を耳にしますが、

 きっと、世界に一人って、こういう感覚のことを言うんだろうなアと思う。



 絵を観ていると、テクニックだけで言えば、私にも 描けそう(?)な気がするけど、あの発想力は唯一無二なんでしょうなあ。



 特に、「地霊の小人たち」や、「城への帰還」。

 通常の精神状態で、丹精込めて描き上げたのかと思うと、

 その強靭な精神力には舌を巻きます。



 世の中には、いるんですね。

 すごい人が。

 

 帰り際には、ポスターやらポストカードやらを

 どっちゃり買ってきました。



 購入時には、そんなに気にならなかったポスター(900×600)も

 改めて家に飾ってみると、「げげげーっ」と 思わず息を呑む威圧感。



 うちの父も、同じようなことを口走っていた記憶がありますが、

 やっぱ、親子って似るのかなあ。



 いや、誰でも大きさの感覚を 見誤ることはあるんだろうか。



 しばらくは、うちの中がキリコ祭りになりそう。

 キリコに囲まれた生活ってのも、なんだか精神的には良くなさそう・・