オバサンは続ける。

 

「『トモちゃん、誰にも言うたらあかんで』

 

『どうして?』

 

『そら、おかしい子や思われるからや』」

 

オバサンはなんと、朋緒の言葉まで語りだした。

 

「嫌だ!気持ち悪い」

朋緒は叫ぶように言った。

「今度小人が来たら私に言うんだよ、いいね」

 

 

目が覚めた。

家の天井が見える。

朋緒は起き上がる、もう夜になっていた。

「起きたのね」

ママは朋緒のすぐそばにいた。

あれ?塾に行かなかったのかな。

「具合悪くなってね、今日はお休みしたの」

ああ、それでか。

何だか頭がぐるんぐるんする。

朋緒は体を起こした。

と。

学習机の上にかっぱえびせんが置いてあった。

「これ?ママが買ってきたの?」

 

返事はなかった。

ママは何故か悲しそうな顔をしている。