「偉い人なの?その人」
「まあ…そうやな。
だから逆らわれへんねん」
「怖いね」
「今までは何とか逃げてたんやけどな。そやけど最近は迫ってきた。
仲間もぎょうさん捕まったわ」
「捕まえられたらどうなるの?ケームショに入れられるの?」
朋緒はアニメ映画で見た、人々が縞模様の服を着て流れ作業をさせられている様子を思い浮かべた。
「そんなもんやあれへん!存在を消されてしまうんや!」
「えっ!殺されちゃうの?」
「...」
オジサンは黙り込んでしまった。
朋緒は決意した。
「オジサン、私が守ったげる!
だからうちで暮らさない?」
「ここで?トモちゃんちでか?」
「うん。ママにバレないようにする。お菓子もあげる」
「ほうか」
「ここならカラスも入れないし」
「ほうやな」
「ママにもオジサンはぱっと見、人形だと思うよ」
「ほうか」
「ママには内緒にするからね。
あ、でも涼太くんには言ってもいい?小人のオジサンいるって。
私の味方してくれるから」
「それはあかん!」
オジサンは激しく反対した。