天井を見ながら朋緒は考える。

涼太に、オジサンが小人だということを隠したが、別に彼には伝えてもよかったのかも。

だってきっと、朋緒の味方だから。

でも。

どんな友達にも、親にも、秘密にしていたいことがある。

なぜなら、上手く言葉にできないのだが、もしも誰かに話したらオジサンはいなくなるかもしれない、朋緒はそんな気がする。

 

「ふふっ」

 

朋緒は笑う。

秘密を持つって、何だか大人になったみたい。

 

「トモちゃんおおきに。かっぱえびせん買うてくれたんやな」

「そうだよ。お金足りなくて慌てたけど、涼太くんが出してくれたんだよ」

「涼太…ああ、あいつか」

「オジサンのこと、涼太くんには言ってないよ。

あ、えっと、言ったけど、普通の人間のオジサンと思ってる」

「言うたらあかんで。ま、誰も信じへんやろけどな」

 

オジサン、また夢に出てきた!

いや正確には声だけしか聞こえないのだが。

 

「夢でもし逢えたら 素敵なことね

あなたに逢えるまで 眠り続けたい」

 

誰か女の人の歌う声がする。

ああこの歌なんか好きかも。