いよいよ試験の日がやって来た。
雨のせいかなんとなく頭が痛い。
インフルエンザは治ったはずだが気圧によるものだろうか。
リカが会場の私立高校に着くと受付に行列が出来ている。
ほとんどが中学生、高校生だ。ミクは別の場所でもう終わった頃だろう。
受験番号を確認し教室に入る。
ここにはリカと同じような、いやもう少し年上の大人たちもいる。
昨日も過去問を解いたがなんとも微妙だった、7割ほどの正答率だった。
ああもっと確実に力をつけて挑みたかったな。
でもいい。
準備万端なベストな状態なんて永遠にやってこない、準備不足でも少しくらい体調良くなくてもベストを尽くすのが人生ってものだ。
あ、名言出た。
思わずにやりとした。
問題用紙が配られ試験監督からの説明がある。
ああ尊いなこの時間。楽しいな。
一瞬時間が止まったような気持ちがした。
どんな問題が来ようが構わない。
今までやってきたことは噓をつかない。
リカは窓の外を見る、雨はもうやんでいるようだ。
「それでは始めてください」
試験監督が声を発した。