ここは体育館のようだ、リカはバドミントンのコートの中にいる。

あれ?

私選手ちゃうよね、マネージャーやったよね?

「お母さん、頑張って!」

タオルを持ったミクがいる、え?ミクがマネージャーやってくれてるん?

「あと一点入れたら勝てるわよ、頑張れリカちゃん!」

応援席にはジンナイさんがいる。

「リカさん、英文法しっかりたたきこみなはれ!」

サッチンだ、コーチのサッチン先生だ。

「リーディング、リスニング、インプットが先でっせ」

それはやった。

でも、自信がない。全く上達してる実感がない。

 

リカは動けない。

その間に敵はスマッシュを容赦なく叩き込んできた。

えええ。

私マネージャーやのに。

私ほとんど試合出てないのに。

私英語初心者やのに。

 

最後に敵がリカの顔めがけてスマッシュを打った。

スローモーションのようにゆっくりとシャトルが飛んできた。

なすすべもなし。

リカの眉間にシャトルが当たり、床に落ちた。

 

敵の女の子の顔を見た。

あ、あの子だ!

リカの高校の同級生、バドミントン部で唯一ベスト8に残ったあの子。

彼女はこっちを向いて、言った。

 

It's all thanks to you that I won.

私が勝てたのはあなたのおかげです。

 

そうかも知れないけど。

私が負けたからあなたが勝てたんやけど。

 

嫌や。

そんなんは嫌や。

私は勝ちたい、勝ちたいんや!

「リカさん、よう言うた」

思わずリカはサッチン先生の胸に飛び込み、号泣した。

 

 

視線の先は天井。

いやあ。

色々とツッコミどころのある夢やったなあ。