ありがとうきい。
あんたが感情をぶつけてきたから私もやっと感情を、
膿を出すことができたんだ。
寂しいよう。痛いよう。
「何なん?なんもわからんくせに勝手なこと言わんとって!」
寂しいよう。痛いよう。
「パパもママもずっとどっか行ってたんやから、私いつも一人やったんやから。
仕事とかお出かけとかいっつもどっか行って家におらんかったんやから」
寂しいよう。痛いよう。
「私のこと放っておいて、パパとママなんてどっかいったらええ!そう思ったらほんまに二人とも」
「スミレ」
ばあばに抱きしめられた。
「ほうら、深呼吸して。
すーっ、はーっ、すーっ、はーっ」
その時きいがどんな顔をしていたのか、よく見えなかった。
自分のことしか見えなかった。
ほんまや。
私は幸せやな、ごめんなあ。
あんたがどんな思いをしてたのか、想像も出来なかったくらい子どもやった。