「ミクお帰り。

英検結果どうやった?」

「合格した」

「やったあ!」

リカは思わずミクを抱きしめた。

「何、そんな喜ぶ?」

「うん、だって頑張ったもん私ら、お母さんも合格したで」

「わあ良かった、おめでとう」

「ありがとう」

しかしミクはこんなことを言う。

「ほとんどの子は三級受験やけど、準二級や二級受けた子もおる。

だからまあ三級は当たり前っていうか」

「ええ、そんな感じなんや」

リカも英検のことは自分なりに調べた、それによると三級は中学三年生レベル、準二級は高校一年生、二級は高校三年生相当の英語力なんだとか。

と、そこにタイセイが帰ってきた。

「ただいま。

英検どうやった?」

タイセイはリカが勉強しているのを知り、それなりに興味は持ってくれているようだ。

「おかえり。

うん、二人とも合格したよ」

「おお良かったな。

俺も中二の時受けたな、あと高一で準二級受けた」

「そうやった?」

リカは覚えていない。

しかし、タイセイの遺伝子云々の言葉でリカは勉強するようになった。

今となれば感謝するしかない。

そして次回は準二級に挑戦するつもりだ。

「タイセイ、今日はバイトないん?」

「試験前やからしばらく休む」

塾講師と居酒屋チェーン店を掛け持ちしている、大学生はなかなか忙しいのだ。

「あのさ」

珍しくタイセイが何か話したそうだ。

「前に友達の話したやん?

親が医者で、タワマン住んでるやつ、同じ大学の」

ああ、まさにええ遺伝子持つ子のことか。

「あいつ大学辞めるねんて」