山田先生、場違いな場所で、内容のない質問にがっかり | クマゲロのブログ(熊谷宏)

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田舎の歯科医師が個人の立場で徒然に呟いています。

5月9日の参議院厚生労働委員会で山田先生が、歯科衛生士・歯科技工士の人材確保について質問されました。

 

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

この日の厚生労働委員会は、雇用保険の適用拡大などを主旨とした雇用保険法等の一部改正に関する質疑がテーマであり、その専門家を政府参考人として出席させるなどした、いわゆる具体的法案審議に関する審議です。

委員会の最後では委員会採決も行われたいわば最終審議です。

比嘉なつみ委員長のもと、この日は山田先生含め10名程度が発言しましたが、山田先生以外の質問者はいずれも、当然ながら、雇用保険の適用拡大や教育訓練給付、雇用調整助成金の観点など雇用保険改正についての具体的内容に関する質問でした。

で、山田先生の順番になりました。25分の持ち時間。

最初の10分弱はスポットワークというまあ、雇用保険に関する話でした。
しかし、そこからいきなり、歯科衛生士・歯科技工士の人材確保の話になりこれが最後まで続きました。

この質疑のために、浅沼医政局長も委員会に出席することになりました。

歯科技工士の話では、官僚から7:3告示の話までもちださせた上で、「結局は診療報酬がやすいからだめなんだ。」という話に。

これどうなんでしょうか?委員会の他の委員、厚労省の方々はどんな感想を持つでしょうか?

時はまさに、つい先日、週刊新潮で、「日本歯科医師連盟は山田議員に1億円献金して、“歯科医が恩恵を被る”国民皆歯科健診政策を買った」と報じられたばかり。

過去には、中医協委員に現ナマ配って診療報酬あげさせようとした組織。

委員会の参加者や厚労省の方々は、
「ああ、また歯科の議員が歯科の話をごり押ししてきてる。今はそういう場じゃないのに、不愉快。歯科医師連盟がやらせているんだろうな。」
って、我々末端の歯科医師が「国民のおくちの健康」を願っていることなど感じず、「歯科」に対する軽蔑の念を持たれたのではないかと思います。

とても残念です。

もちろん、委員会でテーマ以外の質問をすることが100%だめだとは思いませんが、タイミングが悪すぎると思います。

質疑の内容も残念でした。
先日の日歯代議員会で歯科技工士問題を質問した私に言わせたら、「中身がないにもほどがある。」です。だれがシナリオ書いたんでしょうか?

質疑の中で、山田先生はこう仰られています。
「訪問歯科診療にしても技工士が行かなきゃいけない、地域包括ケアの中にも技工士をいれていくなど 技工士の仕事としての将来像を国が示す必要がある。」

山田先生は、今の歯科技工士法では、訪問診療の現場に歯科技工士が帯同することが「法的に認められていない」ことをご存じですか?

もし、上記のようにおっしゃるのなら、「歯科技工士法2条を改正」しなければならないのに、それについての話は一切なし。 

歯科のことを質問した、という事実を作るためだけのポーズだと思わざるを得ません。

先日尖閣諸島にいかれて物議を醸された山田先生ですから、ここで歯科のポイントも稼いでおかないと、という思いなのでしょうが、決してプラスにはなっていないと思います。

結局は、「票をもらえるから歯科の質問をする」方と、「自身も歯科医師であり、歯科のことを良くしたいから質問する」方の違いなのだと思います。