日本代表が苦戦した原因は....? | ロメロの言いたい放題

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“ミスキャスト”サッカー日本代表が苦戦した原因は?4得点に隠れた不安材料

2000年レバノン大会で日本代表をアジア王者に導いたフィリップ・トルシエ監督が率いるベトナム代表は、24年前と変わらない「フラット3」を基調としたコンパクトなプレースタイルを持ちた戦術であった。日本代表は、統制のとれた守備に少し手こずりながら、決定力にものをいわせて4-2の勝利を収めた。

引いた相手をどう攻略するかは、今大会で日本代表が直面する課題である。昨年10月のチュニジア代表戦、続く11月のW杯予選のミャンマー代表戦、シリア代表戦、更に元日のタイ代表との試合ではいずれも複数得点を決めていて、すでにメドがついているはずの課題なのだが、ベトナム代表戦ではあまり良い出来ではなかった。

相手がディフェンスラインを増員したとしても、崩し方そのものは変わらない。ラインの前にボールをつなぎ、相手が動いたら背後を突く。ラインの背後に大きなスペースはないとはいえ、DFが何人いようが横幅をカバーしているだけなので、ラインの手前にボールを運んでしまえば裏をとりやすいのは同じです。

その点でキーマンになるのは、トップの「細谷真大とトップ下の南野拓実」だったが、前半3点奪ったが、このコンビが機能していなかった。

 

ミスキャスト問題

細谷はスピードが武器で裏抜けを特徴とするストライカーだが、そもそもこの試合で相手ディフェンスの裏のスペースは限られている。伊東純也、中村敬斗、南野の2列目が「間受け」を狙うのでバイタルエリアは渋滞、細谷がそこで収める形にはならない。細谷へのラストパスも限定的。カウンターからのチャンスはあったが、それ以外は存在感が薄く、この試合に関してはミスキャストだった。

2得点の大活躍、素早い守備でも躍動した南野も、「間受け」という点ではあまり仕事をしていない。前回大会でもセカンドストライカーとして活躍したが、引いた相手を崩すためのポイントになる「間受け」はできておらず、その点はトップの大迫勇也が肩代わりしていた。ASモナコ移籍後、バイタルエリアからのラストパスに新境地を拓いたはずだが、この試合ではアシストについては不発だった。

19歳のグエン・ディン・バックは数少ない脅威になっていた。技術が高く、足腰の強さもあり、遠藤航を股抜きでかわす太々しさもあった。自らの攻め込みで得たCKから、ニアで見事に合わせるヘディングで16分に同点ゴール。さらに菅原由勢のファウルを誘ってFKをとり、ベトナム代表はそこから逆転の2点目をゲット。持ち前の機敏さ、ボールタッチの上手さを発揮し、更にトルシエ監督仕込みの機動力のある守備でベトナム代表はペースをつかみかけていた。

ところが、日本代表は南野、中村のゴールであっさりと逆転に成功。そこまで攻め込みが上手くいっているわけでもないのに、チャンスを効率的に決めてしまう決定力の高さは、現在のチームの最大の長所なのかもしれない。かつては「決定力不足」と言われ続け、ブラジル代表などに理不尽なシュートを食らって彼我の差を痛感させられていたものだが、日本代表はいつのまにかそれを対戦相手に行使するチームになっている。

 

細谷のコメント

そして、プレスのきっかけとなる『ファーストディフェンダー』が、チームとして上手く機能しなかったのは「自分の責任だと思う」と語り、守備面での反省を次のように語っていた。

「(試合前は)もう少し前から行って取れるかなと思っていましたけど、(ベトナム代表が)思っていた以上にパスをつなぐのが上手かったです。もともとビルドアップが上手いのは知っていましたが、その上をいかれた部分がありました。ファーストディフェンダーとして、自分の実力不足もありますし、もっとハッキリした方がよかったなと思います」

また、守備だけでなく、攻撃でも存在感を示すことができなかった。良い形でボールを引き出すことができず、前線で孤立する場面が目立ってしまった。

細谷自身も「動き出しのメリハリ」、「足元と背後のハッキリする部分」が足りなかったと振り返り、「もっと縦パスを要求して、チャレンジすべきだった」と改善点を口にする。

そして、「攻撃のところでプレーが途切れるたびに、会話するようにはしましたけど、自分があまりボールに触っていないということは、タイミングが悪いということだと思うので、もっと(連係を)深める必要があるのかなと思います」と、連係面での課題を語っていた。

 

引かれたときの解決策は…

85分には上田綺世がダメ押しの4点目。交代出場の堂安律、久保建英のコンビでペナルティーエリア内まで運んでからの強烈な一発。引かれたときの解決策として、久保と堂安のコンビがあることを印象づけた。

日本代表の基盤となっているのは、冨安健洋、板倉滉、遠藤航、守田英正の4人である。この4人が揃ったときと、そうでないときのチーム力に差があるのが現状です。

今回は冨安が欠場。プレッシングの迫力はやはり落ちたが、それでもアジアカップを戦うには十分だろう。

不安材料は、GK鈴木彩艶。シントトロイデンでレギュラーポジションを確保するや、日本代表でもファーストチョイスになった逸材。能力は圧倒的なのだが経験不足のためか、ときおりミスも目立つ。FKから決められた2点目は、ヘディングシュートにセーブしながらもボールを弾く距離、角度ともに十分でなく、こぼれ球を押し込まれた。もし、1-2のまま敗戦となっていたら、あのワンプレーでポジションを失っていたかもしれない。今回は攻撃陣の破壊力に助けられたともいえる。

殆どのポジションの人選、序列まで決まっている感もある中、GKは不透明だった。しかし、首尾よくアジアカップに優勝すれば正GK鈴木が確立される大会となるのではないか?