苦杯をなめた前回大会から5年。「サムライブルー」が王座奪還を懸けてベトナムとの初戦に挑む。
この一戦で注目すべきはやはり人選の部分。元日に発表されたメンバーに大きなサプライズ選出はなく、現状でのベストともいえる26人が招集された。だが、主力級の選手たちの多くがコンディション面に懸念を抱えているため、大会序盤からの起用には慎重になるだろう。一方で、その不安要素を差し引いてもなお十分な戦力があるのも事実。全員が同じ絵を描けるチーム作りが実を結びつつある中、自身も指揮官としてリベンジに燃える森保一監督は、果たしてどのような11人をチョイスするか。
対するフィリップ・トルシエ監督率いるベトナムは、引いて守りを固めてくることが予想されるが、代表キャップ数の少ない若手が多く選出されており、全体の経験不足感は否めない。初戦という難しさもある状況で、日本としてはそこを冷静に突いて戦えるかが勝利へのカギとなりそうだ。
同じカタールの地で行われたFIFAワールドカップ2022での健闘以降、その好調ぶりから「アジアナンバーワン」の呼び声も高い日本。名実ともに王者の称号を手に入れるべく、まずは最高のスタートを切りたい。
前半:日本ボールでキックオフ、試合開始
前半0分
日本
予想フォーメーションは4-2-3-1。「サムライブルー」がアジアカップ初戦を迎える。優勝まであと一歩のところで敗れた前回大会から5年の月日がたち、王座奪還を懸けてまずはベトナムとの一戦に挑む。勝点3を奪取し、グループステージ突破に近づきたい
注目選手は細谷。柏の若きストライカーが、「国内組」唯一の先発入りを果たした。武器であるフィジカルコンタクトの強さとスピードを生かし、重要な初戦で得点を奪えるか?
前半0分
ベトナム
予想フォーメーションは3-4-2-1。日本代表との前回対戦では、埼玉でドローに持ち込んでいる。注目選手は10番のファムトゥアンハイ。昨年のACLで浦和と対戦し、ゴールで勝利に貢献した。日本を熟知するトルシエ監督が指揮を執り、実力ある選手たちが虎視眈々とチャンスを狙う
前半2分
ベトナム
ディフェンスラインを高くし、前線から積極的にプレスを掛ける
前半5分
日本
ディフェンスラインを中心にパスをつなぎ、相手の出方をうかがっている
前半7分
日本
細谷を中心に前線からプレスを掛け、相手の自由なビルドアップを許さない
前半11分
日本
中村がスルーパスを送ると、伊藤が受けてペナルティエリア左脇から左足で折り返す。しかし、相手DFに防がれ、左CKを獲得する
前半11分
日本
GOOOOOAL!! 左CKのキッカーは伊東。右足でファーサイドにクロスを送ると、板倉に当たってこぼれたボールに菅原が反応し、ペナルティエリア右から右足でシュートを放つ。これはブイホアンベトアインにブロックされてしまうが、ペナルティエリア中央の南野が右足で冷静にこぼれ球を流し込み、先制に成功する
前半15分
ベトナム
グエンディンバクがドリブルを仕掛ける。しかし、板倉と菅原が落ち着いて対応する。左CKを獲得する
前半16分
ベトナム
GOOOOOAL!! 左CKのキッカーはドオフンズン。右足でニアサイドにクロスを送ると、グエンディンバクが後頭部でヘディングシュートを放つ。山なりに大きく浮かび上がったボールがゴール右に吸い込まれ、同点に追い付く
前半23分
日本
守田がペナルティエリア手前の中央へ鋭いパスを送ると、南野が受け、素早いターンから左足でシュートを放つ。しかし、枠の右へわずかに外れてしまう
前半33分
ベトナム
GOOOOOAL!! 相手陣中央の左でFKを獲得する。キッカーのファントゥアンタイがペナルティエリア内へ浮き球を送ると、ブイホアンベトアインがヘディングシュートを放つ。これは鈴木がセーブするが、ファムトゥアンハイが押し込み、逆転に成功する
前半35分
日本
伊藤がスルーパスを送ると、中村が抜け出し、ペナルティエリア左からマイナス方向にパスを送る。守田がワンタッチでつなぎ、伊東がペナルティエリア中央で収めて右足でシュートを放つ。しかし、相手DFにブロックされてしまう
前半43分
日本
左CKのキッカーは伊東。右足でファーサイドへクロスを送るが、相手DFにクリアされる。こぼれ球に菅原が反応し、右足でボレーシュートを放つが、遠藤に当たってしまう
前半44分
日本
遠藤がペナルティエリア手前の中央へパスを送ると、伊東がワンタッチで前方へつなぐ。細谷が受けてペナルティエリア中央から左足でシュートを放つが、グエンフィリップのセーブに阻まれる
前半45分
日本
GOOOOOAL!! 守田がペナルティエリア中央へパスを送ると、遠藤が受けて縦パスを送る。南野がペナルティエリア内で受け、右足で冷静にグラウンダーのシュートを放つ。ブイホアンベトアインの股下を抜けたシュートがゴール右に決まる
前半49分
日本
GOOOOOAL!! 谷口が自陣から縦パスを送ると、相手陣浅い位置で南野が受けて持ち運び、左前方の中村につなぐ。中村はドリブルでゴールの方向へ前進してから斜め後方に持ち出すと、ペナルティエリア手前の左から右足でシュートを放つ。弧を描いたシュートがゴール右に吸い込まれ、逆転に成功する
前半:前半終了。3-2と、日本のリードで試合を折り返す
前半53分
前半総括 初戦を迎えた「サムライブルー」。コンパクトな陣形で守備的に構えるベトナムに対し、立ち上がりは慎重にボールを保持する。流れの中からは思うように決定機を作れずにいたが、セットプレーの流れから前半11分に南野拓実が先制点を挙げる。しかし、直後にCKから決められて追い付かれてしまう。その後も守備に人数を掛ける相手に攻めあぐね、カウンターからピンチを招くと、またもセットプレーから逆転ゴールを献上。それでも、前半終了間際には2点を奪って瞬く間に逆転に成功する。この勢いを大事にして後半に入りたい。
後半:ベトナムボールでキックオフ、後半開始
日本
⑪細谷OUT→⑨上田IN
ベトナム
⑪グエントゥアンアインOUT→㉕レファムタインロンIN
後半9分
日本
前線からプレスを掛け、遠藤が相手のパスをカットする。ペナルティエリア中央の上田がこぼれ球を収めて遠藤に落とすが、遠藤はシュートには持ち込めない
後半18分
日本
⑬中村OUT→⑩堂安IN
後半18分
日本
伊東がドリブルで左サイドを突破し、ペナルティエリア左からマイナス方向にパスを送る。守田が受けて右足でシュートを放つが、ファントゥアンタイにブロックされてしまう
後半19分
⑤グエンディンバクOUT→⑭グエンバンチュオンIN
③ボーミンチョンOUT→㉒クァットバンカンIN
後半24分
日本
板倉が相手のパスをカットすると、こぼれ球に南野が反応する。トラップで相手DFをかわし、ペナルティエリア手前の中央から左足でシュートを放つが、グエンフィリップにセーブされてしまう
後半29分
日本
伊藤が遠藤につなぐと、遠藤がペナルティエリア手前の右から縦パスを送る。これを上田が受けてペナルティエリア右から右足でシュートを放つが、グエンフィリップにセーブされてしまう。また、上田がオフサイドの判定となる
後半32分
日本
②菅原OUT→⑯毎熊IN
⑤守田OUT→㉖佐野IN
後半39分
日本
⑧南野OUT→⑳久保IN
後半40分
日本
GOOOOOAL!! 遠藤が相手陣中央から縦パスを送り、受けた堂安が久保につなぐ。ペナルティエリア中央の久保は相手を引き付けてから左の上田につなぐ。上田が中央へ持ち出して右足で強烈なシュートを放つと、相手DFの足に当たってゴール中央に決まる
後半45分
ベトナム
ロングボールに反応したファムトゥアンハイが胸で落とすと、グエンバンチュオンが受けてペナルティエリア手前の右から右足でシュートを放つ。しかし、強いシュートとはならず、鈴木が落ち着いて対応する
後半46分
アディショナルタイムは5分の表示
後半51分
日本
佐野がターンで相手DFをかわし、相手陣中央からペナルティエリア左へパスを送る。久保が受けると、左足でゴール前へ浮き球を送るが、ボールは直接ゴールラインを割ってしまう
後半:試合終了。4-2で日本が勝利
後半51分
試合総括 後半は途中出場の選手が躍動した。後半開始後しばらくは、互いにやや積極的な姿勢を見せる。日本は徐々に有効的な縦パスが増え、攻め込まれたときは球際に厳しい寄せやパスカットで対応。一時的にこう着状態に陥るも、堂安律の投入によってペースをつかみ出す。すると、リードしていることもあり、余裕を持って相手陣で長くプレーして時計の針は進む。後半40分には久保建英のお膳立てから上田綺世が待望のダメ押し点を奪い、ゲームを決定づける。そのまま試合終了の笛を聞き、白星スタートを切った。
戦 評
優勝まであと一歩のところで敗れた前回大会から5年。「サムライブルー」が11年以来の王座奪還に向けてベトナムとの初戦に臨んだ。
ハイラインを敷くベトナムに対して序盤は慎重にボールを保持し、左CKの流れから南野拓実が先制点を獲得。
しかし、5分後にはベトナムに左CKから同点ゴールを決められてしまい、試合を落ち着かせられない。守備に人数を掛ける相手に苦戦しているうちに、またもセットプレーから逆転ゴールを献上する。
それでも、前半終了間際には南野、中村敬斗が立て続けに見事なゴールを決め、日本が再びリードを得て試合を折り返す。
互いにハーフタイムで交代カードを切ると、後半開始後しばらくは両チームが積極的にゴールへ向かう展開に。日本は谷口彰悟や板倉滉を中心に、攻め込まれても球際で相手を上回り、さらなる失点は許さない。前半の全得点に絡んだ南野は、後半は献身的なプレスで存在感を発揮する。リードを保ったまま時計の針は進み、迎えた後半40分。途中出場の堂安律、久保建英のお膳立てから上田綺世がダメ押しとなる4点目を奪い、ゲームを決定づける。
試合はそのまま4-2で終了。白熱した一戦を制し、勝点3を獲得した。