【某サークルO部室:渕上 幸太郎・河本 多喜二・鈴川 博之・高橋 恵】

「へーお二方とも冒険者なんですね」

「何か素敵です」

 某サークルOの活動以外にも冒険者にも属していることを渕上 幸太郎が説明すると、それに鈴川 博之と高橋 恵が返事を返した。ここは14時を少し過ぎた某サークルO部室。渕上と河本 多喜二は午前中の鍛錬の後、『熊大生協』でランチを食べて、その後部室にやってきたのである。すると新入生としてサークルに入部していた鈴川と高橋も部室にやって来ており、何やら備え付けのカードゲームなどで遊んでいる様子であった。鈴川と高橋はもともと幼馴染であり、高校は別だったが、小学校中学校と同じであり、大学も鈴川は工学部で高橋は教育学部と学部は違えど同じになったのである。そしてもともと気になっていたこのサークルにも一緒に入ることにしたので、現在2人してこの部室にいるのである。ちなみに某サークルOの新規入部者は現在のところこの2名だけである。

「別に素敵ではないかと思うけど」

「興味あるならやってみてもいいかもしれないよ。このサークルの先輩も何人かいるし」

 少し笑いながら渕上が返事を返し、その後で河本が軽く勧誘をしてみせた。これを聞いて鈴川と高橋はお互いに顔を見合わせ、その後で質問を投げかけてみる。

「えっと、冒険者ってどうやって申し込むんですかね」

 思っていた疑問を鈴川が口にする。現在は募集期間ではないので、確かに応募に関する情報は全くないのかもしれない。そこで渕上が説明をする。

「たぶん8月に入ったら何か変な歌が学内に流れると思うから、そうなったら募集開始で、多分募集要項が生協に置かれてると思う」

 これを聞いて河本も大きく首を縦に振っている。現在は募集期間ではないことを知った鈴川と高橋は情報がなかった理由を理解でき、それならばとりあえず8月を待とうかという考えに至ったのであった。