【プレイオフ:前田 法重・原田 公司・富田 剛・本田 仁】

「ロン!メンタンピンドラドラ・・・ドラ。ハネ満!」

 富田 剛がリャンピンを切った直後に前田 法重の声が響く。ここは熊大黒髪キャンパスから市街地方面に向かう途中にある雀荘『プレイオフ』。午前中の鍛錬後にたまたま帰りが一緒になった4人は、『南食堂』一緒に食事をし、その際で富田が急に麻雀が打ちたいと発言したので、急遽打つことにしたのである。

「早いリーチはイースーソウだと思ったんですけどね」

「流石に読みが甘いだろ。うろく」

「ひだりっぱ」

 富田の言葉に前田が返しながらサイコロを振り、その後原田 公司がサイコロを振った。

「どうでもいいことですけど、うろくって、キャプテンウーロックを思い出しますよね」

「ハーロックね。本当どうでもいい話やな」

 どうでも良い富田の話に前田が一応相手をしてあげる。そうこうしているうちに前田がツモ上がりをし、連チャンとなる。

「うろく」

「キャプテン」

「うーろっく?」

 前田がサイコロを振ると6が出たので富田が何やら叫ぶ。それを聞いて本田 仁が言って欲しそうな言葉を考えて口にした。富田は非常に満足げである。配牌も終わり、厳かに局が進むが、また富田が口を開く。

「またもやどうでも良いことですけど、うろくって聞くとウーノット大佐を思い出しますよね」

「ハーロック以上に遠いな。誰もウーノット大佐は思い出さんと思うぞ」

 またもや富田のどうでも良い話に前田は付き合ってやり、軽い手だったのでサクッとツモ上がりした。点棒のやりとりが終わり、前田はサイコロを振る。

「じご」

「うろく」

「キャプテン」

「うーろっく?」

「俺」

「うーのっと?」

「ありがとう!」

 本田の合いの手に富田は非常に満足し、この掛け合いはこの後長い間続けられることとなる。