【熊大迷宮:黒髪てへろく部隊】

「回収終わりました〜」

 レア物質を回収していた富田 剛がこう告げる。熊大迷宮地下2階。本日は階段を降りた左前方の通路の突き当たりにある扉をを開け、そこからの通路を進んでいる。

「結構ウヨウヨいますね」

 富田がその近辺には亜獣が複数いることを説明する。その言葉に部隊全員の緊張感が増す。

「前方右から亜獣。7体来ます」

「よし、戦闘準備」

 川崎 志郎が部隊に指示を出す。前方から現れたのは巨大なウサギ4体と、人型の亜獣3体である。

「殲滅」

「催眠」

 大石 泰三が殲滅、菊川 竜二が催眠を唱える。殲滅は効果を得なかったが、催眠はウサギ3体を眠らせることに成功した。

「原田はウサギ、法重と俺で人型倒すぞ」

 そう言って川崎は前田 法重と共に人型の亜獣へと向かう。人型の亜獣は武器は持ってなく、何やら念じているようである。

「あいた!」

 何か後方で声がしたようであるが、気にせずに川崎は人型の亜獣に切りつけ、消滅させた。前田も1体倒したようなので、残り1体に攻撃し、難なく殲滅する。原田 公司は巨大なウサギの攻撃に苦戦しているように見えるが、ダメージは食らってないようである。複数回の原田の攻撃をくらい、ウサギも力付き、その間に眠っているウサギも川崎と前田ですでに倒していた。

「物質回収します。近々には亜獣はいないです」

 そう言って富田がレア物質回収を始めたが、後ろを振り向くと大石が自分に回復をかけている。

「いきなりだったからびっくりした。急に目の前に火の玉が現れた。あいつら多分魔術師や」

 そう言って自分を回復し終えた大石はその後、原田を回復した。地下2階のこのエリアは亜獣の出現率が高いらしく、少し進むと遭遇する。一本道のこの通路を奥に進みたい気もするが、帰り道のことも考えると、まだあまり奥までは進めないと判断し、切りのいいところで本日の探索を終了した。