【罠解除士鍛錬場:棚瀬 郁乃・倉内 工・石島 望友・佐倉 秀仁】

「あ、解除できた!」

「おー郁乃ちゃんおめー」

 罠解除装置に発生した罠を見事に解除成功した棚瀬 郁乃が喜びの声をあげ、周りで見学していた石島 望友が祝福の声をあげた。ここは午前中の罠解除士鍛錬場。本日もたくさんの罠解除士が鍛錬を行っている。本日朝から一緒に鍛錬を行っていた27期生の石島、佐倉 秀仁と、28期生の棚瀬、倉内 工の4人は先ほどから罠解除装置を使った鍛錬を行っている。27期の2人は現在レベル5までクリアしており、レベル6チャレンジ中であり、28期の2人はレベル3までクリアしており、先ほど棚瀬がレベル4をクリアしたのである。

「まあ綾瀬ちゃんが能力高いのはわかっていたけど、離されずについていかないと」

 こう自分に言い聞かせて、倉内が罠解除装置に向かい、レベル4をセットする。

「おーたーすーけー」

 大方の予想通り、倉内は罠解除に失敗し後方に吹っ飛ばされる。これを見て次の順番である石島が気合を入れながら罠解除装置に向かう。

「たぶんまだちょっと早いんだよね〜」

 こう言いながら罠解除のレベルを6に設定し、罠を出現させる。

「ふうー」

 大きく息を吐いて石島が罠に両手を差し込んで、いろいろな動きを見せているが、罠の見た目には何も変化がない。ということは罠解除が成功に向かっていないことになる。

「無理でした」

 こういって石島は罠解除装置から離れる。石島は女性なので吹っ飛ばされることはないのだ。

「では俺が」

「吹っ飛ばされますかね」

 気を引き締めて言葉を発した佐倉に対して、石島が突っ込みを入れる。これを聞いて、苦笑いを浮かべた佐倉は罠解除装置に向かい、罠を設定した後大きく息を吐いた。

「さいならーさいならー」

 こう叫びながら吹っ飛ばされた佐倉を見ながら、乾いた笑顔を浮かべる3人であった。