【道:前田 法重・中島 一州・原田 公司・大塚 仁・中尾 智史・本田 仁】

「物騒な世の中ですよね」

「何があるかわからんな」

 軽くため息をつきながら発した原田 公司の言葉を聞いて、前田 法重が突っ込みを入れた。ここは居酒屋『道』。本日もたくさんの客が訪れている。前田とその付き添いのメンバー達もいつものように宴会を楽しんでいる最中である。今週の火曜日起こった事件である千葉県松戸市と栃木県宇都宮市で起こった立てこもり事件は世間に衝撃を与えた。別の場所で2件同時に起こったということも、この事件の衝撃声を増加させている。結果的に松戸の方は怪我人等は出なかったが、宇都宮の方は犯人と人質の女性が亡くなってしまったのである。

「マジで勘弁して欲しいっすよね」

「子供の学校とかで立てこもりとかされたらたまらんよね」

 軽く息を吐きながら発した大塚 仁の言葉に、中島 一州が感想を続ける。6人とも子供がいる父親なので、立てこもり事件が起こって、それに子供が巻き込まれるなどということがあると考えただけでたまらないのである。

「とにかくそのようなことは起きないことを祈るだけやな」

 そう言いながら前田はジョッキのビールを一気に飲み干した。この後はいつものようにくだらない話で盛り上がり、てっぺんを超えないぐらいの時間で飲み会を終了する。終了間際に明日の予定について話し、前田と中島、原田、本田は朝から一緒にパチンコに行くことになったのである。