【戦士試験場:横山 真弓・坂本 真由美・松島 明日香・中津 明日菜・飯島 志保・高村 佳子】

「それではこれで本日の日程は全て終了になります。明日からはみなさん自分の職業の鍛錬場に直接行ってくださいね。それでは今日はこれで終わりになります。お疲れ様でした」

「お疲れ様でしたー」

 元気な声でオリエンテーション終了の挨拶を行った横山 真由美の声を聞いて、30期の冒険者たちは、軽く頭を下げた後で、ロッカー方向へと歩いていった。ここは戦士試験場。昨日合格発表と懇親会が行われて、自分が合格したことを実感できた30期冒険者たちであるが、本日は戦士試験場に集められ、オリエンテーションと、能力解放の儀式が行われた。まずオリエンテーションでは各職業の長官の挨拶が行われる。2次試験中も監督を行なっていたので、改めてという形になるが、合格したからには今後長い付き合いになる可能性があるので、きちんと挨拶をしたのである。そしてその後、戦士以外の職業は能力解放の儀式が行われる。能力解放を行うのは飯島 志保と高村 佳子であり、特に問題なく能力解放を終える。特筆して驚くような能力者はいなかったが、ほぼ全員が通常の光球よりは高度な光球を発現させていたので、期自体のレベルは高いと考えられる。そしてその後、全ての行事を終えたので、本日の業務を終了したのだ。

「本当疲れたー」

「疲れるよね」

 背伸びをするような姿勢で坂本 真由美が言葉を発して、それに飯島 志保も同意する。能力を解放させるのにはある程度の精神力が必要であり、それを何人も行うとなると、かなりの疲労感を感じるのである。さすがに1人で15人を相手にするのは大変なので、能力解放は通常2人で行われる。ただ、昔はこれを1人で行なっていたらしいので、まだまだ自分たちの実力は偉大な先輩たちには及ばないと認識せざるを得ない2人であった。