【戦士鍛錬場:玉田 智明・和泉 秀一郎・河本 萌香】

「相変わらず智明の剣は重いな」

「重いのは剣だけではないけどねー」

 模擬戦が終わって休憩場所に戻りながら和泉 秀一郎が発した言葉に、ベンチに座って模擬戦を眺めていた河本 萌香が笑いながら返事を返した。ここは午前中の戦士鍛錬場。本日もたくさんの戦士が鍛錬を行っている。ジェイフォンからボーダフォン部隊の戦士である玉田 智明、和泉、河本の3人は、朝から鍛錬場で順番に模擬戦を行っている。和泉は受ける人であり、中受の戦法を取っているので、基本的に相手の攻撃は左手の盾で受けるのが常である。たとえば河本の攻撃であれば、盾で受けてもそこまでも重さは感じないが、玉田の攻撃は盾で受けてもその重みで左手にある程度のダメージが通るのである。玉田の攻撃が重い理由としては、もちろん攻撃力が高いというのが根本的な理由であるが、体重が重いというのも1つの理由だと考えられる。

「俺の体重いじりはいいから」

 普段から良く体型についていじられている玉田は、軽くため息をつきながらこう口にする。見た目は重そうに見える玉田だが、実は動きは非常に軽快で、一見喰らう人と間違えられるが、実は予知系の避ける人である。ただ、喰らったり受けたりする才能も持ち合わせているようなので、将来的には3種の戦法を使用するすなわち柱になることも視野に入れている。

「じゃあ休憩が終わったら、今度は私と玉田くんねー」

 そう言って準備体操を始めた河本に、玉田と和泉はサムズアップで了承の意を示したのである。