旅するベッド

ジョン・バーニンガム　作

長田　弘　訳

ほるぷ出版

旅をするベッド。
そんなベッドがあったらどうする？

ジョージーが見つけたのは

古道具屋にあったベッド。

本当は　新品を買うはずだったのに、
どうしても欲しくて購入するけど
ママやグランマには　評判がわるい。

ベッドを掃除しているとなに

やら文字がかいてある

「　このベッドがあればどこへでも旅ができます。
　まずさいしょにおいのりのもんくをとなえる。
　そうしてえーと・・・・。

　さいごのことばがよめないな。　

　Mではじまって、えーと、えーと

　えーとYでおわることばなんだが」

ジョージーは毎晩考える。
もちろんMではじまりYで終わる言葉を

「マネー（おかね）、メイティ（あいぼう）、
マミー（おかあさん）、マーキー（はっきりしない）、
モーリー（ねったいぎょ）、マンディ（こどもむけマンガ）、
ミリー（おんなのこのなまえ）メッシー（きたない）、
ミンティ（ハッカあじ）、マウシー（いくじのない）。」


　いろいろ　言うけど　あたらない。

ところが、次の日。
どこかであたったらしいんだ。

ジョージーは旅をしていた。

地の精と妖精にあったり、ジャングルで

まいごのトラを助けたり

宝箱をみつけて海賊においかけられたり・・。
イルカと泳いだり、
魔女と競争したり・・・

　めちゃくちゃ　楽しい。

ところが、夏のバカンス休暇で留守の間に、

おばあちゃんにベッドを捨てられてしまってました。

間一髪　探しに行って、ベッドに飛び乗ったジョージーは
まほうのことばをつぶやき旅に出る。

『もしきみがいまもまだベッドに

もぐりこんだままでいたければ

じぶんだけのまほうのことばをみつけるんだ。

そうすればきみもきっとジョージーのようにベッド

もぐりこんだまま遠くまで旅することができるよ』


さあ、ひたすら旅をし続けるための
呪文「最初がMでおわりがYの言葉」を考えること。

　皆さんも考えてみませんか？

　　　旅するベッドいいじゃないですか。

　　「　ねえ、どれがいい」の

　　　ジョン・バーニンガムさん。

　　　発想も絵も　好きです。

　　　子どもたちにも　人気があります。

　　　今日も絵本力に感謝です。