「さいしょに気がついたのは麻里ちゃんだった」
――と始まる物語に、えっ?と目をきょろきょろさせてしまいます。
あ、この青いリボンの箱ね、
と絵の中から見つけ出したとたん、
読者は麻里ちゃんになっています。
「なんでもあとで……だわ、ずうっとむかしから……」
という麻里ちゃんの声は小さな子どもたち
全ての声かもしれません。
麻里ちゃんの姿から幼い自分を、
大人には見えなくなってしまったものが
子どもにはちゃんと見えているということを、
思い出すのではないでしょうか。
誰のところにも熊ちゃんはいるのかもしれません。
子どもの孤独を描いた最高傑作の絵本です。
今日は親鸞聖人 750回大遠忌法要に
行きます。