世界でいちばんのクリスマスプレゼント@BIGDIPPER1 | 赤城❤︎.*

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アカギ

高校1年 ビッグディッパー1

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The Best Christmas Present in the World

 

戦場から届いた手紙-そこには信じられないような出来事が…

□spot(ted)【気づく】□condition【状態】
□repair【直す】□overexcited【極度に興奮した】
□relative(s)【親戚】□drawer(s)【引き出し】
□underneath【下部、底面】□tin【ブリキの】
□envelope【封筒】□address(ed)【(宛名を)書く】
□date(d)【日付をつける】
 ブリッドポートにある小道具店でそのロールトップデスクをみつけた。ぼくは何年もの間、こんな机を探していたのだ。とてもひどい状態だったがやはりそれを買ったのだ。クリスマスイブにぼくは仕事部屋でその机を直し始めた。どんちゃん騒ぎの親戚たちから離れ、静寂に浸りたかったのだ。
 ぼくはすべての引き出しを開けた。最後の引き出しがどうしても開かないので、強くたたくと突然ぱっと開いた。驚いたことに、底に秘密の引き出しがあるのを見つけた。『ジムの最後の手紙 1915年1月25日』と書かれた、小さな黒いブリキの箱があった。箱の中には、『*ドーセット州ブリッドポート,カッパー・ビーチズ12番地, ジム・マクファーソン夫人』とあて名書きされた封筒が入っていた。中の手紙には、1914年12月26日と記されていた。
□flag【旗】□opposite【反対の】
□trench(es)【溝】□dozen(s)【ダース】
□rifle【ライフル銃】□in sight【見えて、目に入って】
□officer【将校】□grip(ping)【握る】
□bit【かけら】□prefer【好む】
□terrible【ひどく嫌な】
最愛のコニーへ
きのうのクリスマスの朝、とってもすばらしいことが起こったんだ。最初だれかが反対側の塹壕で白旗が動いているのを見たんだ。そしたら無人地帯をはさんだ向こうから『ハッピークリスマス』ってぼくらに呼びかけてきてね。びっくりしたあとぼくらも『お前たちもな!』って叫び返したんだ。

それからドイツ兵の一人がボトルを振りながら『今日はクリスマスだぜ。おれたちは酒を持ってるんだ。一緒にどうだい?なあ?』って言ってね。そのときまでに何十人ものドイツ兵がぼくらの方に歩いてきてたんだけど、見る限りライフル銃は持ってなかったんだ。
あるドイツ人将校が『俺はハンス・ウルフ。デュッセルドルフ出身だ。オーケストラでチェロを弾いてる。』と握手しながら言ったんだ。ぼくは『ジム・マクファーソンです。イングランド西部にあるドーセットから来た教師です。』と答えた。
ハンスさんとぼくはいっぱいしゃべってね。まわりを見渡すとみんな笑ったり食べたり飲んだりしてだんだ。ハンスさんとぼくはきみからもらったクリスマスケーキの最後のひとかけらを分け合ったんだよ。コニー、彼はきみのマジパンは今まで食べた中で最高だって言ってたよ。ぼくもそう思うよ。ぼくらはすべてにおいて同じ考えだったけど、彼はぼくの敵なんだよね。
そのうちだれかがサッカーボールを持ち出して試合が始まったんだ。『ジム・マクファーソン、この戦争はサッカーの試合で決めるべきだと俺は思うぜ。だれも死なないし。だれも孤児にならない。だれも未亡人にならないしな。』とハンスさんが言ったんだよ。
『ぼくはクリケットのほうが好きかな。』と彼に言ってぼくらは笑いあったよ。
最愛のコニー、来年のクリスマスまでにはこの戦争はただただひどい思い出になってると思う。ぼくらはまたすぐにいっしょにいられるようになるよ、絶対に。
愛をこめて、ジムより

□empty【空っぽ】□decoraton(s)【飾り】
□hallway【玄関、廊下】
 その夜ぼくは眠れなかった。手紙を読んだことを申し訳なく思ってた。朝までにはぼくはどうすべきかがわかっていた。わずか数マイル離れたブリッドポートまで車を走らせた。
 彼女の家にはだれもいなかったので、マクファーソン夫人がどこにいるかをだれか知っていないか隣の家の人に聞いた。年配の男性が、彼女は今町のむこう側にある老人ホームにいると言った。
 ぼくはすぐに老人ホームを見つけた。玄関には飾りつけがしてあり、かどにはピカピカ光るクリスマスツリーがあった。彼女にお渡しするクリスマスプレゼントがあります、と言いながらマクファーソン夫人との面会を頼んだ。介護士はぼくと一緒に歩いた。
 『ご存知の通り、マクファーソン夫人には家族はおりませんしだれも会いに来ません。あなたに会えて彼女はきっと喜ぶはずですよ。』と彼女は言った。
□perhaps【おそらく】
 年老いた女性が一人で車イスに腰かけていた。
『ハッピークリスマス、コニー。これを見つけました。あなたのものですよね。』
 手紙を見たとたん、彼女の目は輝いた。ぼくがどうやって見つけたのかを説明したが、彼女は聞いていなかったと思う。
 そしたら突然、彼女がぼくの手をとった。彼女の目は涙であふれていた。『クリスマスまでには戻ってくるって言ってたよね、あなた。ずっとずっと待ってたの、そして今あなたがここにいる、世界でいちばんのクリスマスプレゼントだわ。』と彼女は言った。
『あなたが手紙を読んでくださらない?ジム、あなたの声をまた聞きたいのよ。そしたら二人で紅茶を飲むのでしょうね。マジパンで覆ったかわいいクリスマスケーキを作ったのよ。あなたがどれほどマジパンを好きなのかわかっているもの。』