山形ジャズフェスティバル in 天童 | kumac's Jazz

山形ジャズフェスティバル in 天童

 大阪のジョン・ピザレリのライブに続いての生ライブ。現在のジャズの最前線からちょっと距離を置いているkumacとしては、誰がどんな演奏をするのか皆目検討できませんでした。終わってみれば、じゃずはいいなぁです。

【東京リーダーズ・ビッグバンド】

 正直、トロンボーンの佐藤春樹以外は名前を聞いたことがない。ドラムの音がほとんど聞こえず、ブラスの音だけが目立つ、必死に曲を演奏する姿勢が感じられるが、肝心の迫力に欠ける。それに、楽しそうに演奏していない。こりゃあ、失格。



【辛島文雄テルテット】

 初めて聴くピアニスト。力強いタッチが、どこかペトルチアーニを思い出させる。エルビン・ジョーンズと一緒にやってきたことが頷ける演奏。ナマで聴くには迫力があって、いい感じ。でも、曲をじっくり聴かせる力はなさそう。ベースの井上陽介は、収穫。



【ニコル・ヘンリー&トリオ】

 教会音楽の乗りでメッセージ性の強い、かつ、おおらかに歌う。陰影のないところが、ビリー・ホリデーと逆照射の明の側。野外のコンサートでは、とても似合ってしまう。唯一、アンコールが起こる。これといった特徴はないが、人柄は良さそう(お前が、そんなことわかるはずはないじゃないか。はい。)。



【坂田明miiスペシャル】

 パフォーマンスのみの演奏。サックスプレーは、あの山下洋輔時代と何ら変わらず。それを、目先だけを変えて、演奏を続けている。民謡や動揺はおおらかでいい。じゃあ、ジャズとしてどうかと問われれば、主義主張に犯されたドン・チェリーって感じで、没落に向かっている。ここいらで、真剣にジャズを考えてくれ!



【エリック・アレキサンダーカルテット+二コラス・ペイトン】

 これぞ、本場のジャズです。やはり、しっかりとしたジャズの演奏には、スイング感があります。いとも容易く、即興をする姿にはしばし感動。ブルース・オルガンを土台に音を作っていくのは、かなり聴きやすいジャズを目指している印象です。これって、ジョシュア・レッドマンのエラスチックバンドの路線と全く、反対の路線ですね。



【エディ・ヒギンスウ・カルテット】

 安心して聴けるアメリカン・ミュージック。ジャズの王道って感じですね。エディ・ヒギンズは、スライドピアノ的な奏法が多い。その中で、高音部でのアドリブを小粋に聴かせる。演奏を優雅に楽しんでいる。ベースのポール・ケラーは収穫。エリック・アリソンのフルート、アルトはとってもスイート。CD聴いたことなかったけれど、聴きやすい演奏ですね。

山形国際ジャズ