Chack Mangione『Children Of Sanchez』 | kumac's Jazz

Chack Mangione『Children Of Sanchez』

 パット・メセニーの郷愁を漂わせたよき時代のアメリカの優しさとはちょっとちがって、世界平和を願う包み込む優しい音楽を聴かせてくれたチャック・マンジョーネ。過去形で書いたが、最近の活動の様子は聞こえてこない。その優しさである「愛」をテーマに作品や演奏を繰り広げてきた彼の最も優しさを感じることが出来る先品がこの『チルドレン・オブ・サンチェス』であると思う。
 この作品は、映画のサウンドトラックである。マイルス・ディビスの『死刑台のエレベーター』のような即興演奏主体ではなく、各パートごとに明確なテーマが存在する。その、場面場面の情景が映画をみていなっくても目の前に浮かんでくる。それほど、この音楽はメッセージ性を強く持っているってことです。でも、ジャズであることに違いはない。チャッック・マンジョーネのいいところは、それがあまり宗教みたいな主義主張に突っ走ったりしないところで、あくまで音楽で成し遂げようとしていることである。
 kumacが、大昔、インディアンをテーマにした人形劇を創作したときに、そのバックで流れる音楽に迷わず選んだ、隠れたジャズの映画音楽の名盤である。kumac的評価4.5(5点満点)
Chuck Mangione
Children of Sanchez